地方公共団体の監査は、監査委員だけでなく、弁護士や公認会計士などの外部専門家が行うこともあります。これが外部監査です。外部監査契約には、包括外部監査契約と個別外部監査契約の2種類があり、監査の対象と利用される場面が異なります。
外部監査契約とは
外部監査契約とは、地方公共団体の監査制度を充実させるため、外部の専門家に監査を依頼し、その結果の報告を受ける契約です。
外部監査人になれる者
外部監査人になれるのは、普通地方公共団体の財務管理、事業の経営管理その他行政運営について、優れた識見を有する者です。具体的には、次のような者が挙げられます。
- 弁護士(資格を有する者を含む)
- 公認会計士(資格を有する者を含む)
- 国の行政機関で会計監査に関する行政事務に従事した者、または地方公共団体で監査・財務に関する行政事務に従事した者で、政令で定める監査実務に精通している者
- 普通地方公共団体が必要と認める場合の税理士
一方、その地方公共団体の議会議員や職員など、法律上、外部監査人になれない者もいます。また、その地方公共団体に対して、外部監査契約以外の請負をする者なども外部監査人になることができません。
包括外部監査と個別外部監査の違い
| 項目 | 包括外部監査 | 個別外部監査 |
|---|---|---|
| 対象 | 毎会計年度の監査 | 特定の請求・案件 |
| 監査委員との関係 | 外部監査人が毎年度監査する | 監査委員に代わって監査する |
| 利用の前提 | 法律上の義務または条例 | 条例による定め |
包括外部監査契約の内容
包括外部監査契約は、毎会計年度、外部の専門的な知識を有する者の監査を受け、監査結果の報告を受ける契約です。都道府県、指定都市、中核市の長には、契約の締結が義務付けられています。
これら以外の市または町村でも、条例で契約に基づく監査を受けることを定めれば、包括外部監査契約を利用できます。この場合は、あらかじめ監査委員の意見を聴き、議会の議決を経たうえで、1人の外部監査人と契約します。
個別外部監査契約の内容
個別外部監査契約は、特定の監査について、監査委員による監査の代わりに外部監査人が監査を行う契約です。利用するには、条例で契約に基づく監査によることができる旨を定めておく必要があります。
対象となるのは、住民による直接請求、議会からの事務監査請求、長からの監査請求、長からの財政的援助に係る監査請求、住民監査請求などです。毎会計年度の監査を対象とする包括外部監査とは異なり、特定の請求や案件ごとに利用されます。
包括外部監査と個別外部監査は併存できる
両者は内容が異なるため、包括外部監査契約を締結している地方公共団体でも、条例の定めがあれば個別外部監査契約を利用できます。つまり、包括外部監査は「毎会計年度の監査」、個別外部監査は「特定の請求・案件」と整理すると、違いを理解しやすくなります。
まとめ
- 外部監査契約は、地方公共団体が外部専門家に監査を依頼する契約です。
- 包括外部監査契約は、毎会計年度の監査を対象とします。
- 都道府県・指定都市・中核市では、包括外部監査契約の締結が必要です。
- 個別外部監査契約は、特定の請求や案件について監査委員に代わって監査する契約です。
- 個別外部監査の利用には、条例による定めが必要です。
