関与に関する訴えとは?高等裁判所に提起する条件と出訴期間を解説

地方自治法上、国の関与に不服がある普通地方公共団体の長その他の執行機関は、一定の条件を満たす場合に高等裁判所へ訴えを提起できます。ただし、原則として、いきなり裁判を起こすことはできません。先に国地方係争処理委員会へ審査の申出をする必要があります。

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関与に関する訴えとは

国の関与をめぐる紛争について高等裁判所に提起する訴え

「関与」とは、国の行政機関などが、普通地方公共団体の事務の処理について行う、具体的かつ個別的な行為をいいます。是正の要求、許可・認可・承認、指示などが代表例です。

関与に関する訴えは、地方自治法第251条の5に基づき、国の関与や国の不作為を争うための訴えです。地方裁判所ではなく、高等裁判所に提起する点に特徴があります。

訴えの対象となる内容

原則として、次のいずれかを求めます。

  1. 審査の申出に係る違法な国の関与を取り消すこと
  2. 審査の申出に係る国の不作為が違法であることの確認

つまり、国が行った関与そのものを争う場合と、国が必要な対応をしないことを争う場合があります。なお、都道府県の機関による関与を争う場合は、国地方係争処理委員会ではなく、別の紛争処理手続が問題となるため注意が必要です。

関与に関する訴えを提起できる条件

提起できるのは普通地方公共団体の長その他の執行機関

訴えを提起できるのは、国の関与について審査の申出をした普通地方公共団体の長その他の執行機関です。

原則として先に国地方係争処理委員会へ審査の申出をする

関与に関する訴えには、審査申出前置主義があります。これは、裁判の前に国地方係争処理委員会へ審査の申出をしなければならないという原則です。

審査の申出の対象となるのは、是正の要求、許可の拒否その他の処分など公権力の行使に当たる国の関与、国の不作為、協議です。ただし、関与に関する訴えを提起できるのは、これらのうち公権力の行使に当たるものまたは国の不作為について審査の申出をした場合です。

審査の申出後に提訴できるケース

公権力の行使に当たる国の関与または国の不作為について審査の申出をした執行機関は、次のいずれかに該当するときに訴えを提起できます。

  • 委員会の審査の結果または勧告に不服がある
  • 委員会から通知を受けた後、国の行政庁が講じた措置に不服がある
  • 審査の申出から90日が経過しても、委員会が審査または勧告をしない
  • 国の行政庁が、委員会の勧告に基づく措置を講じない

緊急の必要がある場合でも、審査の申出を省略して直接提訴することはできません。

出訴期間と提起先・被告

ケース別の出訴期間

提訴できるケース 出訴期間
委員会の審査の結果または勧告に不服がある 通知があった日から30日以内
国の行政庁の措置に不服がある 委員会の通知があった日から30日以内
審査の申出から90日を経過しても審査または勧告がない 90日を経過した日から30日以内
国の行政庁が勧告に基づく措置を講じない 勧告に示された期間を経過した日から30日以内

30日の起算点は、通知を受けた日、90日を経過した日、または勧告に示された期間を経過した日など、ケースによって異なります。期間を過ぎると提訴できなくなるおそれがあるため、通知書や勧告書の日付を正確に確認してください。

提起先と被告

関与に関する訴えは、高等裁判所に提起します。原則として、被告は審査の申出の相手方となった国の行政庁です。訴状では、違法な国の関与の取消し、または国の不作為が違法であることの確認を求めます。