審理員とは?行政不服審査法における役割と指名のルールを解説

行政庁の処分に不服がある場合、行政不服審査法に基づいて審査請求をすることができます。この審査請求について、当事者の主張や証拠を確認し、審理を進める担当者が審理員です。

もっとも、すべての審査請求で審理員が指名されるわけではありません。ここでは、審理員の意味や役割、指名の条件、指名が不要となる例外を解説します。

審理員とは?審査請求の審理を担当する職員

審理員の意味

審理員とは、審査請求を受けた行政庁(審査庁)が、原則として自らに所属する職員の中から指名する者です。行政不服審査法9条1項に基づき、審査請求に関する審理手続を担当します。

審査庁とは、審査請求を受けて手続を進め、最終的に裁決をする行政庁を指します。審理員は、この審査庁とは別の機関という意味ではなく、審査庁に所属する職員の中から選ばれる担当者です。

審理員が担当すること

審理員は、審査請求人や処分庁の職員に対して、処分に関する主張や証拠を提出させます。そして、提出された内容を確認し、審査請求について審理を行います。

審理を終えた後は、その結果について意見をまとめた審理員意見書を作成し、審査庁に提出します。ただし、審理員自身が最終的な裁決をするわけではありません。審査庁が審理員意見書などを踏まえて裁決します。

審理員の指名に関するルール

誰が審理員を指名するのか

審理員を指名するのは、審査請求を受けた審査庁です。原則として、審査庁に所属する職員の中から指名します。

また、処分に関与していない審理員に審理をさせる仕組みが設けられています。平成26年の行政不服審査法改正でも、このような公正な手続が重視されました。

指名される人に求められる条件

審理員には、審査請求人と特別な利害関係がある者を指名できません。

審理員候補者名簿の公表

審査庁となるべき行政庁は、審理員となるべき者の名簿を作成するよう努めることとされています。名簿を作成した場合は、審査庁となるべき行政庁や関係する処分庁の事務所に備え付けるなど、適切な方法で公にしなければなりません。

審理員が指名されないケース

審理員の指名は原則ですが、行政不服審査法9条1項ただし書により、次の場合は指名する必要がありません。

  • 内閣府設置法または国家行政組織法に規定する委員会などの機関が審査庁である場合
  • 条例に基づく処分について、条例に特別の定めがある場合
  • 行政不服審査法24条により、審査請求を却下する場合

このように、審理員を指名しない扱いが認められるのは、法律や条例に定められた例外に限られます。例外に当たらない通常の審査請求では、審査庁が審理員を指名します。

まとめ:審理員は審査請求を公正に審理する担当者

審理員とは、審査庁に所属する職員の中から指名され、審査請求の審理手続を担当する者です。主張や証拠を整理して審理を行い、審理員意見書を審査庁に提出しますが、最終的な裁決をするのは審査庁です。

審査請求人と特別な利害関係がある者は審理員に指名できません。一方、委員会などが審査庁である場合、条例に特別な定めがある場合、審査請求を却下する場合には、審理員の指名は不要です。