地方公共団体は、事務を処理するため、他の地方公共団体に職員の派遣を求めることがあります。ただし、地方自治法上の条件を満たす必要があります。
地方公共団体間の職員派遣とは
地方公共団体間の職員派遣とは、ある普通地方公共団体が、自らの事務を処理するため、他の普通地方公共団体に職員を派遣するよう求める制度です。地方自治法252条の17第1項に定められています。
この制度は、同じ団体の内部で職員を異動させる仕組みではなく、他の普通地方公共団体との間で行われるものです。また、条文は「派遣を求めることができる」と定めており、一定の要件を満たす必要があります。
職員の派遣を求めることができる条件
1. 派遣を求める者が決められている
派遣を求められるのは、普通地方公共団体の長、委員会または委員です。
2. 相手方が他の普通地方公共団体である
派遣の要請先も、他の普通地方公共団体の長、委員会または委員でなければなりません。自団体の職員配置を調整する場合ではなく、他の普通地方公共団体に対して求める制度です。
3. 自分の地方公共団体の事務を処理する目的がある
派遣の目的は、派遣を求める側の普通地方公共団体の事務を処理することでなければなりません。
4. 「特別の必要」がある
その事務を処理するため、特別の必要があると認められることが必要です。
5. 特別法に別の定めがない
地方自治法252条の17第1項は、「法律に特別の定めがあるものを除くほか」としています。対象となる事務について別の法律に職員派遣の規定がある場合は、その規定が適用されます。
条件に当てはめて考える具体例
たとえば、A市が自らの事務を処理するため、B市に職員派遣を求めるとします。この場合、A市の長、委員会または委員が求めるのか、相手がB市の長、委員会または委員であるのかを確認します。次に、派遣の目的がA市の事務の処理にあること、特別の必要があると認められることを確認します。さらに、その事務について法律に特別の定めがないかを確認します。
まとめ
地方公共団体間の職員派遣は、普通地方公共団体が、他の普通地方公共団体に職員の派遣を求める制度です。派遣を求めるには、求める主体と相手方が法律上定められた長、委員会または委員であること、自らの事務を処理する目的があること、そのための「特別の必要」があることを確認します。加えて、法律に特別の定めがないかも確認する必要があります。
