商業使用人の代理権とは?委任を受けた使用人と店舗店員の権限を解説

商店や会社では、経営者本人ではなく、課長や係長、店舗の店員が取引を行うことがあります。このとき問題になるのが、使用人にどこまで会社や商人を代理する権限があるかという点です。

商業使用人のうち、この記事ではある種類または特定の事項の委任を受けた使用人と、物品の販売等を目的とする店舗の使用人について説明します。

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商業使用人とは?代理権が認められる使用人の種類

商業使用人の意味

商業使用人とは、商人や会社に雇用され、営業や事業を補助する使用人です。商人から独立して活動する代理商とは異なり、商人や会社に従属して活動します。

商業使用人には、支配人、ある種類または特定の事項の委任を受けた使用人、物品の販売等を目的とする店舗の使用人がいます。ここでは、支配人を除く2種類を取り上げます。

「代理権」とは

代理権とは、本人である商人や会社に代わって法律行為をする権限です。使用人の種類によって、認められる代理権の範囲は異なります。

委任を受けた使用人の代理権

どのような使用人が該当するか

「ある種類または特定の事項の委任を受けた使用人」とは、一定の業務を任された使用人を指します。課長や係長などが該当しますが、役職名だけで決まるわけではありません。

代理権の範囲

この使用人は、委任を受けた事項について、一切の裁判外の行為をする権限を有します(商法25条、会社法14条)。ただし、委任を受けた事項の範囲を超える権限まで認められるわけではありません。

代理権の制限と善意の第三者

この使用人の代理権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができません。つまり、相手方がその制限を知らない場合、商人や会社は、その制限を理由として代理行為の効果を否定することができません。

店舗店員の代理権

店舗の使用人に認められる権限

物品の販売等を目的とする店舗の使用人は、相手方が悪意の場合を除き、その店舗にある物品の販売等をする権限を有するものとみなされます(商法26条、会社法15条)。

代理権の範囲

対象となるのは、店舗にある物品の販売、賃貸その他これらに類する行為です。店員であれば、店舗や会社に関するあらゆる契約を締結できるという意味ではありません。

相手方が悪意の場合

相手方が悪意の場合は、店員にその取引をする権限があるものとはみなされません。店舗の使用人に認められる権限は、店舗にある物品の販売等に限られます。

委任を受けた使用人と店舗店員の違い

区分 代理権の範囲 主な制限
委任を受けた使用人 委任を受けた事項に関する一切の裁判外の行為 代理権の制限は善意の第三者に対抗できない
店舗店員 店舗にある物品の販売・賃貸など 相手方が悪意の場合は代理権があるものとはみなされない

会社には会社法14条・15条、個人商人には商法25条・26条が適用されます。委任を受けた使用人の代理権は委任を受けた事項に、店舗の使用人の権限は店舗にある物品の販売等に限られます。