取得請求権付株式と取得条項付株式は、どちらも会社法上、定款で定められる株式です。最大の違いは、株式の取得を誰が動かすのかにあります。
取得請求権付株式と取得条項付株式の基本
取得請求権付株式とは
取得請求権付株式とは、定款で、株主が会社に対してその株式を取得するよう請求できると定めた株式です(会社法107条1項2号)。
つまり、株主が会社に対して保有株式の取得を求めることで、会社による取得が進みます。株主が保有株式の買取りを会社に請求できるため、出資をしやすくなる仕組みといえます。
取得条項付株式とは
取得条項付株式とは、一定の事由が生じた場合に、会社がその株式を取得できると定款で定めた株式です(会社法107条1項3号)。
株主からの請求を待つのではなく、定款に定めた条件が発生したときに、会社側が株式を取得できます。そのため、会社が株主から株式を回収するための仕組みと整理できます。
両者の違い
| 比較項目 | 取得請求権付株式 | 取得条項付株式 |
|---|---|---|
| 取得を動かす主体 | 株主 | 会社 |
| きっかけ | 株主による請求 | 定款で定めた一定の事由 |
| 基本的な性質 | 株主が会社に株式取得を求める | 会社が株式を取得できる |
したがって、取得請求権付株式は株主が会社に株式の取得を請求できる仕組み、取得条項付株式は会社が一定の事由を条件に株式を取得できる仕組みです。
定款で定める場合の手続の違い
全株式を取得請求権付株式とする場合
会社設立時は、発起人が原始定款に定められます。会社成立後に定款変更で定める場合は、通常の定款変更と同じく、株主総会の特別決議で足ります(会社法309条2項11号、466条)。
全株式を取得条項付株式とする場合
会社設立時は、発起人が原始定款に定められます。会社成立後に定款変更で定める場合は、会社が株式を一方的に取得できる内容となるため、株主総会を開催するかどうかにかかわらず、株主全員の同意が必要です(会社法110条)。
なお、種類株式の内容として取得条項を設定する場合も、その種類株式を持つ株主全員の同意が必要です(会社法111条1項)。
