組織変更とは?株式会社と持分会社の変更の違いをわかりやすく解説

組織変更とは、会社をいったん解散して別の会社を設立するのではなく、同じ法人格を保ったまま会社の種類を変更する制度です。株式会社から持分会社へ、または持分会社から株式会社へ変更できます。この記事では、特に株式会社から持分会社へ変更する場合の手続を中心に解説します。

スポンサーリンク

組織変更とは

会社の法人格を維持したまま会社の種類を変えること

組織変更では、会社そのものが別法人に入れ替わるのではなく、法人格の同一性を維持したまま会社の種類だけを変更します。持分会社とは、合名会社・合資会社・合同会社の総称です。

したがって、株式会社が合同会社になる場合でも、会社を解散して新しい合同会社を設立するわけではありません。

組織再編の一種だが、合併や会社分割とは異なる

組織変更は組織再編の一つですが、合併や会社分割のように、別の会社へ権利義務を承継させる手続ではありません。同じ会社のまま、会社の種類を変更する点に特徴があります。

持分会社同士の変更は組織変更ではない

合名会社から合資会社へ変更するなど、持分会社同士で種類を変える場合は、会社法上の組織変更ではありません。この場合は、定款変更の問題として扱われます。

株式会社と持分会社の組織変更の違い

変更できる方向

変更前 変更後 法律上の扱い
株式会社 持分会社 組織変更
持分会社 株式会社 組織変更
合名会社 合資会社など 定款変更

株式会社と持分会社の間の変更は、どちら向きであっても組織変更に該当します。一方、持分会社同士の変更は組織変更ではありません。

株式会社から持分会社へ変更する場合の主な特徴

株式会社から持分会社へ変更する場合は、組織変更計画の作成、計画に関する事前開示、効力発生日の前日までの総株主の同意、債権者保護手続が必要です。

持分会社から株式会社へ変更する場合

持分会社から株式会社への変更も、法人格を維持したまま会社の種類を変える組織変更です。ただし、変更前の会社の種類や手続の前提が異なるため、具体的な要件は個別に確認する必要があります。

株式会社から持分会社へ組織変更する手続

組織変更計画を作成する

まず、変更後の会社の種類に応じた定款事項や、社員に関する事項などを定めた組織変更計画を作成します(会社法743条・744条)。

組織変更計画を事前に開示する

組織変更計画に関する書面などを本店に備え置き、株主と債権者に事前に開示します(会社法775条)。

総株主の同意を得る

効力発生日の前日までに、組織変更計画について総株主の同意を得なければなりません。通常の株主総会決議や特別決議ではなく、総株主の同意が必要となる点が重要です(会社法776条)。

債権者保護手続を行う

組織変更をする旨と、債権者が一定期間内に異議を述べられる旨を官報に通知します。また、知れている債権者には個別に催告します。債権者には、組織変更に対して異議を述べる機会が認められています(会社法779条)。

効力発生日に持分会社となる

組織変更計画で定めた効力発生日に手続の効力が生じ、株式会社は持分会社となります。従前の株主は、組織変更後の持分会社の社員となります(会社法745条1項・2項)。

まとめ

組織変更とは、会社の法人格を維持したまま、株式会社と持分会社の間で会社の種類を変更する制度です。株式会社から持分会社へ変更する場合は、組織変更計画の作成、事前開示、総株主の同意、債権者保護手続が必要です。なお、合名会社から合資会社への変更など、持分会社同士の変更は組織変更ではなく、定款変更として扱われます。