憲法18条は、本人の意思に反して人を奴隷のように拘束したり、苦痛を伴う労役を強制したりすることを禁止しています。ただし、「奴隷的拘束」と「意に反する苦役」は同じ意味ではありません。
憲法18条が保障する自由とは
何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。又、犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない。
憲法18条が保障する内容は、次の2つです。
- 奴隷的拘束からの自由:あらゆる人権や人格を無視され、身体を拘束されない自由
- 意に反する苦役からの自由:本人の意思に反して、肉体的・精神的な苦痛を伴う労役を強制されない自由
重要なのは、奴隷的拘束は例外なく禁止される一方、意に反する苦役には「犯罪に因る処罰の場合」という例外がある点です。
奴隷的拘束とは
奴隷的拘束とは、あらゆる人権や人格を無視して、身体を拘束することをいいます。たとえば、監禁状態の下に置くことが奴隷的拘束に当たります。
奴隷的拘束は、本人が同意していたとしても禁止されます。また、犯罪による処罰であることを理由に正当化することもできません。憲法18条では、奴隷的拘束について例外は認められていないからです。
意に反する苦役とは
意に反する苦役とは、本人の意思に反して強制労働をさせる場合をいいます。肉体的または精神的な苦痛を伴う労役が対象となります。
もっとも、憲法18条は「犯罪に因る処罰の場合」を例外としています。そのため、意に反する苦役は、例外的に、拘禁刑のような「犯罪による処罰」の場合には許されます。
ただし、この例外は奴隷的拘束にまで及ぶものではありません。犯罪による処罰であっても、人権や人格を無視して人を奴隷のように扱うことが許されるわけではない点に注意が必要です。
まとめ
- 憲法18条は、奴隷的拘束と意に反する苦役を禁止している
- 奴隷的拘束とは、人権や人格を無視して身体を拘束すること
- 奴隷的拘束は、本人の同意があっても絶対に禁止される
- 意に反する苦役とは、本人の意思に反して苦痛を伴う労役を強制すること
- 意に反する苦役には、犯罪による処罰の場合という例外がある
- 犯罪による処罰であっても、奴隷的拘束が許されるわけではない
