国の決算検査と財政状況の報告とは?会計検査院の役割を解説

国の財政では、これから使うお金を決めるだけでなく、実際にどのような収入や支出があったのかを確認し、その内容を国会や国民に示すことも重要です。憲法は、そのための仕組みとして、会計検査院による決算検査と、内閣による財政状況の報告を定めています。

国の決算検査とは?会計検査院が果たす役割

決算とは、1会計年度の収入・支出の実績

決算とは、1会計年度に国へ入った収入と、国が支出した金額の実績を示すものです。これからの収入・支出の予定を示す予算に対し、決算は、1会計年度における国の収入・支出の実績を確定した数値で表します。

会計検査院は毎年、国の決算をすべて検査する

憲法90条1項は、国の収入支出の決算について、毎年、すべて会計検査院が検査すると定めています。会計検査院は、国の決算を検査し、その検査報告を示す機関です。

検査後の決算は、内閣が国会に提出する

内閣は、次の年度に、会計検査院の検査報告とともに決算を国会へ提出しなければなりません。国会に提出されるのは、国会が決算の内容を審査するためです。

財政状況の報告とは?内閣が国会と国民に示す情報

内閣は国の財政状況を定期的に報告する

憲法91条は、内閣に対し、国会および国民へ国の財政状況を報告するよう求めています。報告は定期的に行う必要があり、少なくとも毎年1回は実施しなければなりません。ここで報告する主体は、会計検査院ではなく内閣です。

財政状況の報告は、国民が国の財政を知るための仕組み

この制度は、国の財政状態を国会だけでなく国民にも知らせるためのものです。決算検査が会計検査院による決算の検査であるのに対し、財政状況の報告は内閣が財政の状況を国会・国民に伝えることを目的としています。

決算検査と財政状況の報告の違い・関係

実施する機関と内容が異なる

制度 実施主体 内容・目的
決算検査 会計検査院 国の収入支出の決算を毎年すべて検査する
決算の国会提出 内閣 検査報告とともに決算を国会へ提出する
財政状況の報告 内閣 国会と国民に国の財政状況を定期的に報告する

決算検査から国会での審査までの流れ

  1. 1会計年度が終わる
  2. 収入・支出の実績として決算が作成される
  3. 会計検査院が決算を検査する
  4. 内閣が検査報告とともに決算を国会へ提出する
  5. 国会が決算を審査する

これとは別に、内閣は少なくとも毎年1回、国会と国民に国の財政状況を報告します。会計検査院は決算を検査し、内閣は決算を国会へ提出するとともに、財政状況を報告するという役割分担です。

まとめ

  • 決算は、1会計年度における国の収入・支出の実績です。
  • 会計検査院は、国の決算を毎年すべて検査します。
  • 内閣は、検査報告とともに決算を国会へ提出します。
  • 内閣は、国会と国民に少なくとも毎年1回、財政状況を報告します。
  • 決算検査は「決算を検査する制度」、財政状況の報告は「財政状況を知らせる制度」です。