供託とは、債権者が弁済の受取りを拒むなどの場合に、弁済者が金銭などを供託所(法務局)に預ける制度です。供託後は、債権者が受け取る「還付」と、供託した弁済者が返してもらう「取戻し」という2つの手続が問題になります。
供託物の「還付」と「取戻し」の違い
結論として、還付は債権者が供託物を受け取ること、取戻しは弁済者が供託物を取り戻すことです。誰が請求するのか、また供託の効果がどうなるのかが大きく異なります。
| 項目 | 還付 | 取戻し |
|---|---|---|
| 請求する人 | 債権者 | 弁済者 |
| 目的 | 供託物を受け取る | 供託物を返してもらう |
| 主な条件 | 弁済の目的物または代金が供託されている | 債権者が受諾していない、または供託を有効とする判決が確定していない |
| 効果 | 債権者が供託物を受け取る | 供託はなかったものとみなされる |
供託物の還付を請求できる条件
還付を請求できる人
弁済の目的物、またはその物を競売して得た代金が供託されている場合、弁済を受ける立場にある債権者は、供託物の還付を請求できます。
反対給付が必要な場合
債務者が、債権者の給付と引換えに弁済する関係にあるときは、債権者も自分の給付をしなければ供託物を受け取れません。したがって、供託がされたからといって、常に無条件で還付を受けられるわけではありません。
供託物の取戻しを請求できる条件と効果
取戻しを請求できる条件
弁済者は、債権者が供託を受諾していないこと、または供託を有効と宣告した判決が確定していないことを満たす間は、供託物を取り戻せます。
取戻しをすると供託はなかったものとみなされる
取戻しをすると、法律上は供託をしなかったものと扱われます。そのため、供託によって債務を消滅させる効果も維持されません。
取戻しができない例外
ただし、供託によって債権者の質権または抵当権が消滅した場合は、弁済者は供託物を取り戻せません。取戻しを検討するときは、担保権が消滅していないかも確認する必要があります。
まとめ:還付は債権者、取戻しは弁済者が請求する
- 還付は、債権者が供託物を受け取る手続です。
- 取戻しは、弁済者が供託物を返してもらう手続です。
- 還付では、反対給付をしなければ受け取れない場合があります。
- 取戻しをすると、供託はなかったものとみなされます。
- 質権または抵当権が消滅した場合は、取戻しが認められません。
