緊急事務管理とは?管理者の損害賠償責任をわかりやすく解説

緊急事務管理とは、義務なく、本人の身体・名誉・財産に対する急迫の危害を免れさせるため、他人の事務を管理することです。

通常の事務管理では、管理者が義務に違反すると、本人に対して損害賠償責任を負うことがあります。ただし、緊急事務管理の場合は、管理者に悪意または重大な過失がない限り、本人への損害賠償責任を負いません(民法698条)。

緊急事務管理とは

事務管理の基本的な意味

事務管理とは、義務なく他人のために事務の管理を始めることです。管理をする人を「管理者」、管理される本人を「本人」と呼びます。

管理者は、事務の性質に応じて、本人の利益に最も適した方法で管理しなければなりません(民法697条1項)。本人の意思を知っている、または推知できる場合には、その意思にも従う必要があります(同条2項)。

緊急事務管理に該当する条件

緊急事務管理に該当するには、単に本人の利益になる行為であるだけでは足りません。本人の身体、名誉または財産に対する急迫の危害を免れさせるために事務を管理したことが必要です。

緊急事務管理における管理者の損害賠償責任

通常の事務管理では損害賠償責任を負うことがある

管理者には、本人の利益に適した方法で管理する義務があります。また、本人が事務管理を知っている場合を除き、開始したことを遅滞なく通知する義務(民法699条)や、本人またはその相続人もしくは法定代理人が管理できるようになるまで、原則として管理を続ける義務(民法700条)もあります。ただし、事務管理の継続が本人の意思に反し、または本人に不利であることが明らかな場合は、管理を続ける必要はありません。

これらの義務に違反すれば、債務不履行として本人への損害賠償責任を負います。

緊急事務管理では「悪意または重大な過失」がある場合に限られる

緊急事務管理では、管理者に悪意または重大な過失がない限り、本人に対する損害賠償責任を負いません(民法698条)。

管理者が損害賠償責任を負うか判断するポイント

  • 本人の身体・名誉・財産に急迫の危害があったか
  • その危害を免れさせるために事務を管理したか
  • 管理者に悪意があったか
  • 管理者に重大な過失があったか

緊急事務管理に当たり、悪意・重大な過失がなければ、本人への損害賠償責任は負いません。反対に、悪意または重大な過失がある場合は、本人に対して損害賠償責任を負います。

まとめ

緊急事務管理は、本人の身体・名誉・財産に対する急迫の危害を免れさせるため、義務なく他人の事務を管理することです。通常の事務管理と異なり、管理者に悪意または重大な過失がない限り、本人への損害賠償責任を負いません。判断では、急迫の危害を免れさせるための事務管理であったか、そして管理者に悪意または重大な過失があったかが重要です。