不法行為の因果関係とは?相当因果関係と立証の考え方を解説

不法行為が成立するには、故意・過失や権利侵害だけでなく、加害者の行為によって被害者に損害が生じたといえることが必要です。この記事では、不法行為における因果関係、相当因果関係、裁判での立証の考え方を解説します。

不法行為における因果関係とは

加害行為と損害とのつながりを意味する

因果関係とは、加害行為と損害との間に、その行為の結果として損害が生じたといえる関係があることです。不法行為の成立要件の一つであり、故意・過失や権利侵害があっても、加害行為と損害との間に因果関係がなければ、不法行為は成立しません。

相当因果関係とは

不法行為で問題となる因果関係は、単なる事実上のつながりではなく、その行為の結果として通常予見できる相当の損害が生じたといえる相当因果関係を意味します。

加害者の行為を受け、それに相当する損害が被害者に生じたことが必要であり、行為と損害との関係が法律上相当といえるかが検討されます。

不法行為の因果関係を立証する方法

因果関係の立証責任は被害者側にある

訴訟における因果関係の立証は、被害者側が負います。被害者側は、加害行為があり、その行為によって損害が生じたことを立証する必要があります。

自然科学的な完全な証明までは求められない

因果関係については、一点の疑いも許されない自然科学的な証明まで求められるわけではありません。経験則に照らして全証拠を総合検討し、特定の事実が特定の結果発生を招来した関係を是認しうる高度の蓋然性を証明することが必要です。そして、通常人が疑いを差し挟まない程度に真実性の確信を持ちうるものであれば足ります(最判昭50・10・24)。

まとめ

不法行為の因果関係とは、加害行為と損害との間に、その行為の結果として損害が生じたといえる関係があることです。法律上は、通常予見できる相当の損害が発生したといえる相当因果関係が必要です。立証責任は被害者側にあり、自然科学的な証明ではなく、全証拠と経験則に基づく高度の蓋然性を証明する必要があります。