婚姻障害とは?重婚や近親婚など結婚できないケースを解説

婚姻障害とは、結婚の成立を妨げる法律上の事情です。婚姻には、当事者双方に結婚する意思があること、婚姻障害に該当しないこと、法律上の方式に従って婚姻届を提出することが必要です。婚姻届は、当事者双方と成年の証人2人以上が署名した書面で、またはこれらの者が口頭で届け出ます。

婚姻適齢は18歳です。18歳未満の婚姻は取消しの対象となります。また、成年被後見人が婚姻する場合でも、成年後見人の同意は必要ありません。

婚姻できない4つのケース

1.配偶者がいる場合:重婚の禁止

すでに配偶者がいる人は、重ねて婚姻できません。離婚が成立していない状態で、別の相手との婚姻届を提出する場合などが該当します。

2.一定の近親者間で結婚する場合

親子や祖父母と孫のような直系血族、また兄弟姉妹や、おじ・おばとおい・めいのような3親等内の傍系血族の間では婚姻できません。直系血族は祖先と子孫が一直線につながる関係、傍系血族は共通の祖先から分かれた関係です。

ただし、養子と、養親側の傍系血族との婚姻は、この禁止の例外として認められます。

3.直系姻族と結婚する場合

姻族とは、一方の配偶者と他方の配偶者の血族との親族関係です。直系姻族の間では婚姻できず、離婚などによって姻族関係が終了した後も同じです。たとえば、婚姻中に生じた元配偶者の親との直系姻族関係を理由に、離婚後もその人とは結婚できません。

4.養親子などの関係にある場合

養子もしくはその配偶者、または養子の直系卑属もしくはその配偶者と、養親またはその直系尊属との間では婚姻できません。離縁によって親族関係が終了した後も、婚姻は禁止されます。つまり、離縁した元養子と元養親も結婚できません。

婚姻障害に該当する婚姻の扱い

重婚、近親者間、直系姻族間、養親子間の婚姻は、該当した時点で当然に無効となるのではなく、一定の者が家庭裁判所に取消しを請求できます。

  • 重婚:各当事者、前婚の配偶者、その親族、検察官
  • 近親者間・直系姻族間・養親子間の婚姻:各当事者、その親族、検察官

近親者間・直系姻族間・養親子間の婚姻は取消しの期間制限がありません。重婚も、重婚状態にある間は期間制限がありません。取消しの効力は将来に向かって生じます。ただし、当事者の一方が死亡した後は、検察官からの取消請求は認められません。

「取消し」と「無効」の違い

無効とは、人違いその他の事由によって当事者間に婚姻する意思がない場合や、婚姻届を提出していない場合など、婚姻が法律上成立しないことです。一方、婚姻障害に該当する婚姻は、原則として家庭裁判所で取消しを求める制度として扱われます。