相続財産の管理人とは?選任されるケースと権限を解説

相続財産については、遺産分割をするまでは、原則として相続人全員で共有することになります。しかし、一部の相続人が行方不明であるとか、相続財産の管理に関心のない相続人が存在する場合もあります。

このような場合に、家庭裁判所が選任できるのが相続財産の管理人です。ここでは、相続財産の管理人が選任されるケースや権限について説明します。

相続財産の管理人とは

相続財産を保存するために選任される者

家庭裁判所は、利害関係人または検察官の請求によって、いつでも、相続財産の管理人の選任その他の相続財産の保存に必要な処分を命じることができます。

相続財産の管理人が選任されるケース

利害関係人または検察官から請求があった場合

相続財産の管理人は、法律上当然に選任されるものではありません。利害関係人または検察官が家庭裁判所に請求した場合に、家庭裁判所が選任その他の相続財産の保存に必要な処分を命じることができます。

相続財産の管理人を選任できない場合

次の場合には、相続財産の管理人を選任できません。

  • 相続人が1人で、その相続人が相続を単純承認した場合
  • 相続人が複数いるものの、遺産の全部について分割がされた場合
  • 相続財産の清算人が選任されている場合

相続財産の管理人の権限・職務

相続財産の管理人が選任された場合、その権限・職務などについては、不在者の財産管理人と同様の取扱いになります(民法897条の2第2項、27条~29条)。

まとめ:相続財産の管理人は財産を保存するための制度

相続財産の管理人は、相続人の一部が行方不明であるなど、相続財産の管理が必要な場合に、家庭裁判所が選任する者です。ただし、相続人が1人で単純承認をした場合など、選任できないケースもあります。権限・職務などは、不在者の財産管理人と同様に扱われます。