寄与分とは?被相続人への貢献が相続分に反映される条件を解説

寄与分とは、被相続人の財産の維持や増加に特別な寄与をした共同相続人について、その寄与を相続分に反映する制度です。民法904条の2に定められています。ただし、寄与分が認められるのは共同相続人のうち、特別の寄与をした者です。

寄与分とは?認められるための条件

寄与分の意味

共同相続人の一人が、被相続人の事業に関する労務を提供したり、財産上の給付をしたり、療養看護を行ったりした場合に、その寄与に応じて相続分を調整します。寄与分が認められると、通常の法定相続分または指定相続分に、寄与分を加えた額がその相続人の相続分となります。

寄与分が認められる4つの要件

  • 共同相続人であること:寄与分の対象となるのは、被相続人の共同相続人です。
  • 被相続人への寄与があること:被相続人の事業に関する労務の提供、財産上の給付、療養看護などが挙げられます。
  • 特別の寄与であること:寄与は「特別の寄与」でなければなりません。
  • 被相続人の財産の維持または増加に関係すること:寄与によって、被相続人の財産が維持され、または増加したことが必要です。

例えば、相続人の一人が、被相続人の事業に関する労務を提供したり、被相続人の療養看護を行ったりし、その寄与によって被相続人の財産の維持または増加に特別の寄与をした場合には、寄与分の対象となる可能性があります。

寄与分は相続分にどのように反映される?

寄与分を反映した相続分の計算方法

寄与分は、相続財産に単純に上乗せするものではありません。まず、相続開始の時に被相続人が有した財産の価額から寄与分を差し引き、残った額を法定相続分または指定相続分で分けます。その後、寄与をした相続人の相続分に寄与分を加えます。

  1. 相続開始時の財産額を確認する
  2. 寄与分を差し引く
  3. 残額を相続分に応じて分ける
  4. 寄与をした相続人に寄与分を加える
項目 金額
相続財産 1,000万円
寄与分控除後 800万円
各相続人の基本分 400万円
寄与をした相続人 400万円+200万円=600万円
もう一人の相続人 400万円

このように、寄与分200万円を相続財産全体から控除して計算した後、寄与をした相続人の相続分に200万円を加えます。

寄与分の決め方と10年経過後の注意点

寄与分は共同相続人の協議で定める

寄与分は、共同相続人の協議によって定めます。寄与をした相続人が一方的に金額を決定できるわけではありません。

相続開始から10年を経過した場合の原則

相続開始から10年を経過した後に行う遺産分割では、原則として寄与分の規定は適用されません。したがって、寄与分を主張する場合は、10年という期間に注意が必要です。

10年経過後も適用される例外

ただし、次の場合は10年経過後でも寄与分の規定が適用されます。

  • 相続開始から10年を経過する前に、相続人が家庭裁判所へ遺産分割を請求した場合
  • 相続開始から10年の期間の満了前6か月以内に、遺産分割を請求できないやむを得ない事由があり、その事由が消滅してから6か月を経過する前に、相続人が家庭裁判所へ遺産分割を請求した場合

まとめ

寄与分とは、被相続人の財産の維持・増加に特別の寄与をした共同相続人の相続分を調整する制度です。被相続人の事業に関する労務の提供、財産上の給付、療養看護などが対象となり得ます。寄与分は相続財産から先に控除して計算し、原則として共同相続人の協議で定めます。また、相続開始から10年の期間制限にも注意しましょう。