「自主占有・他主占有」と「自己占有・代理占有」は、いずれも占有の種類です。ただし、区別する基準が異なります。
自主占有・他主占有は「所有の意思があるか」、自己占有・代理占有は「物を直接所持・支配しているか」によって区別します。
自主占有と他主占有の違い
自主占有とは
自主占有とは、所有の意思をもってする占有をいいます。実際に所有権を持っていることと同じではありません。
他主占有とは
他主占有とは、所有の意思がない占有をいいます。
例えば、Aが所有する建物をBが賃借している場合、Aの占有は「代理占有かつ自主占有」、Bの占有は「自己占有かつ他主占有」です。
他主占有であっても、占有をさせた者に対して所有の意思があることを表示し、又は新たな権原により、さらに所有の意思をもって占有を始めた場合には、自主占有へ変更されます(民法185条)。
自己占有と代理占有の違い
自己占有とは
自己占有とは、直接物を所持・支配して行う占有をいいます。「直接占有」とも呼ばれます。
代理占有とは
代理占有とは、他人を介して取得する占有をいいます。「間接占有」とも呼ばれます。
占有は代理人によっても取得できるため、Aが所有する建物をBが賃借している場合、AとBの双方に建物の占有権が認められます(民法181条)。この場合、Aは代理占有、Bは自己占有です。
4つの占有の関係
自主占有・他主占有と、自己占有・代理占有は、それぞれ異なる基準による分類です。そのため、1つの占有について、両方の分類を組み合わせて表現できます。
| 種類 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| 自主占有 | 所有の意思をもってする占有 | 所有者、賃貸人による占有 |
| 他主占有 | 所有の意思のない占有 | 賃借人による占有 |
| 自己占有 | 直接物を所持・支配して行う占有(直接占有) | 賃借人による占有 |
| 代理占有 | 他人の占有を介して取得する占有(間接占有) | 賃貸人による占有 |
まとめ
- 自主占有・他主占有は、所有の意思の有無による分類
- 自己占有・代理占有は、物を直接所持・支配しているかによる分類
- 自主占有は所有の意思をもってする占有、他主占有は所有の意思がない占有
- 自己占有は直接物を所持・支配する占有、代理占有は他人を介して取得する占有
4つを区別するときは、「所有の意思」と「直接物を所持・支配しているか」を分けて考えることがポイントです。
