不法行為の責任能力とは?未成年者や精神障害者の責任を解説

不法行為が成立するには、損害の発生、故意または過失、加害者の責任能力、違法な行為、加害行為と損害との因果関係が必要です。責任能力がなければ、他人に損害を与えても、原則として本人は不法行為による損害賠償責任を負いません。

不法行為における責任能力とは

責任能力の意味

責任能力とは、自己の行為の法律上の責任を弁識するに足りる知能を意味します。責任能力の有無は、加害者ごとに個別に判断されます。

責任能力が認められる年齢の目安

責任能力は、一般におよそ12歳前後から認められるとされています。ただし、未成年者であっても、責任能力が認められれば不法行為責任を負うことがあります。

未成年者に責任能力がない場合

民法712条は、未成年者が他人に損害を与えた場合でも、自己の行為の責任を弁識するに足りる知能を備えていなければ、その行為について賠償責任を負わないと定めています。

重要なのは、単に未成年者であるかではなく、その行為について法律上の責任を弁識するに足りる知能を備えていたかどうかです。したがって、責任能力が認められる未成年者は、成人していなくても不法行為責任を負うことがあります。

精神上の障害がある人の責任能力

民法713条は、精神上の障害により自己の行為の責任を弁識する能力を欠く状態にある間に他人に損害を加えた者は、その賠償責任を負わないと定めています。

故意・過失で一時的に責任能力を失った場合

ただし、故意または過失によって一時的に責任能力を欠く状態を招いたときは、例外として賠償責任を負います。このように、精神上の障害がある人が常に責任を負わないわけではなく、行為時に責任を弁識する能力を欠いていたかどうかと、その状態を招いた経緯が重要になります。

まとめ

責任能力とは、自己の行為の法律上の責任を弁識するに足りる知能です。未成年者は、その能力がなければ賠償責任を負いませんが、一般には12歳前後から認められるとされています。精神上の障害がある人も、行為時に責任を弁識する能力を欠いていれば賠償責任を負いません。ただし、故意または過失でその状態を招いた場合は、例外として賠償責任を負います。