行政立法とは?意味や必要性をわかりやすく解説

行政立法とは

行政立法の意味

行政立法とは、法律だけでは定めきれない細かな事項について、行政機関が一般的な規範を定めることです。

法律は、制定や改正が難しいため、社会状況の変化などを踏まえた細かな事項まで、すべて法律に定めるのは容易ではありません。そこで、法律の内容を補充する仕組みとして、行政立法が用いられます。

ただし、行政機関にこの作用を広く認めると、行政の活動範囲が肥大化し、三権分立が脅かされる「行政国家現象」を引き起こすおそれがあります。

なお、「行政立法」は行政機関が行う「立法」という意味で、厳密な表現ではありません。そのため、行政が設定する基準という意味で「行政準則」や「行政基準」と呼ばれることもあります。

行政立法と行政行為の違い

行政立法は、一般的な規範を定めるものであり、特定の個人を名あて人にしたものではありません。一方、行政行為は、特定の者を名あて人とする行為です。

このように両者は別の概念であり、行政立法に行政行為の公定力など、行政行為特有の効力が認められるわけではありません。また、行政立法の違法性を裁判所で判断することも、原則としてできません。

行政立法が必要とされる理由

法律は、制定や改正に時間がかかるため、個別の場面に必要な手続や技術的基準まで細かく定めるのは困難です。

そこで、法律では定めきれない部分を行政機関が補充し、行政の活動に必要な一般的な規範を定めます。

ただし、行政機関に広い権限を認めすぎると、立法権や司法権との関係で三権分立を害するおそれがあります。そのため、法規命令については、原則として法律の授権が必要であり、法律から委任された範囲を超えてはなりません。

行政立法の種類

法規命令

法規命令は、国民の権利義務に関わり、法規としての性質を持つ行政立法です。原則として、法律による授権が必要です。

  • 委任命令:法律の委任に基づき、国民の権利義務に関する事項を定めます。個別的・具体的な法律の委任が必要で、委任範囲を超えると違法・無効となります。
  • 執行命令:法律を執行するため、法律の具体的な細目を定めます。届出書の様式などが該当し、法律の一般的な授権で足りるため、個別的・具体的な委任は必要とされません。

行政規則

行政規則は、行政機関の内部で用いられる基準です。法規としての性質を持たないため、法律の委任がなくても制定できます。訓令・通達、告示、解釈基準、裁量基準、行政指導指針などがあります。

通達は、行政機関や職員を内部的に拘束するものにとどまり、原則として国民を直接拘束しません。また、裁判所も通達の内容に拘束されません。ただし、告示であっても、内容によっては法規としての性質を持つ場合があります。

行政立法にはどのような限界があるか

法律の委任範囲を超える行政立法は認められない

とくに委任命令は、法律から授権された範囲内で定める必要があります。委任の範囲を超えた場合、違法・無効と判断されます。

行政規則によって国民の権利義務を直接決めることはできない

行政規則のうち法規としての性質を持たないものは、行政機関の内部的な基準にすぎません。そのため、それだけで国民の権利義務を定めることはできません。ただし、告示など、内容によって法規としての性質を持つものもあります。

まとめ

  • 行政立法とは、行政機関が法律を補充するために一般的な規範を定めること
  • 法律では定めにくい細かな事項を具体化できる
  • 法規命令は国民の権利義務に関わり、行政規則は原則として行政内部の基準である
  • 法規命令は法律の授権を必要とし、委任範囲を超えてはならない