市となるための要件とは?地方自治法の市制要件を解説

市は、都道府県と同じく、地方自治法上の普通地方公共団体に分類されます。地方自治法8条1項は、普通地方公共団体が市となるために満たすべき要件を定めています。

市制の要件は、人口だけではありません。市街地がどの程度形成されているか、住民がどのような産業に従事しているか、都市としての施設が整っているかといった点も考慮されます。

地方自治法が定める市となるための4つの要件

地方自治法8条1項では、市となるには、次の4つの要件をすべて満たす必要があると定めています。

人口が5万人以上であること

1つ目は、人口が5万人以上であることです。ただし、人口が5万人に達しただけで、当然に市へ移行できるわけではありません。以下の市街地、産業構造、都市的施設に関する要件も必要です。

中心市街地の区域内にある戸数が全戸数の6割以上であること

2つ目は、普通地方公共団体の中心となる市街地を形成している区域内の戸数が、全戸数の6割以上であることです。

これは、人口が一定数いるだけでなく、住居が中心市街地にまとまって存在し、都市としてのまとまりが形成されていることを求める要件です。

都市的業態に従事する人などが全人口の6割以上であること

3つ目は、商工業その他の都市的業態に従事する人と、その人と同じ世帯に属する人の数が、全人口の6割以上であることです。

つまり、商工業などの都市的な産業に関わる人だけでなく、その同一世帯の人も含めた人数で判断されます。

都道府県条例で定める都市的施設などの要件を満たすこと

4つ目は、人口・市街地・産業に関する要件に加え、当該都道府県の条例で定める都市的施設その他の都市としての要件を備えていることです。

具体的にどのような施設や条件が必要になるかは、都道府県の条例によって定められます。

市になった後に要件を欠いても町や村に戻るわけではない

市となった後に、人口の減少などによって市となるべき要件を満たさなくなったとしても、それだけで当然に町や村へ変更されるわけではありません。

「市となるべき要件」を市になった後に欠いたとしても、町や村になるわけではありません。

まとめ

地方自治法8条1項に基づき、市となるには次の4要件をすべて満たす必要があります。

  1. 人口が5万人以上であること
  2. 中心市街地の区域内にある戸数が全戸数の6割以上であること
  3. 都市的業態に従事する人などが全人口の6割以上であること
  4. 都道府県条例が定める都市的施設その他の要件を満たすこと

したがって、人口要件だけでは市になることはできません。また、市になった後に要件を欠いても、直ちに町や村へ戻るわけではありません。