条例違反と規則違反の罰則の違いとは?罰金・過料・行政刑罰を解説

条例違反と規則違反では、定められる罰則の種類が異なります。条例には、法令に特別の定めがある場合を除き、罰金や科料などの刑罰にあたる行政刑罰を定められますが、規則に定められるのは5万円以下の過料だけです。

条例違反と規則違反の罰則の違いを一覧で比較

条例違反に科すことができる罰則

普通地方公共団体は、法令に特別の定めがある場合を除き、条例に違反した人に対して、次の罰則を定めることができます(地方自治法14条3項)。

  • 2年以下の拘禁刑
  • 100万円以下の罰金
  • 科料
  • 没収
  • 5万円以下の過料

このうち、拘禁刑・罰金・科料・没収は刑罰にあたります。一方、過料は刑罰ではありません。したがって、条例違反には行政刑罰または行政上の秩序罰である過料を定められます。

ただし、条例に罰則規定が置かれていなければ、条例に違反したというだけで当然に罰則を受けるわけではありません。

規則違反に科すことができる罰則

地方公共団体の長は、規則に違反した人に対し、5万円以下の過料を科す旨を規定できます(地方自治法15条2項)。規則違反については、罰金・科料・没収・拘禁刑といった刑罰を定めることはできません。

項目 条例違反 規則違反
拘禁刑 2年以下で定められる 定められない
罰金 100万円以下で定められる 定められない
科料・没収 定められる 定められない
過料 5万円以下 5万円以下
罰則の種類 行政刑罰・過料 過料のみ

条例と規則の違いが罰則の範囲に影響する理由

条例は地方公共団体の議会が定める

条例は、原則として地方公共団体の議会の議決によって制定されます。地方公共団体は、法令に違反しない範囲で、地域の事務などについて条例を定められます。また、義務を課したり権利を制限したりする場合は、法令に特別の定めがない限り、条例によらなければなりません。

規則は地方公共団体の長が定める

規則は、地方公共団体の長が、自分の権限に属する事務について定めるものです。条例とは、制定する主体と定められる範囲が異なります。このため、規則違反について長が定められる制裁も、5万円以下の過料に限られます。

罰金・科料・没収・過料の違い

罰金・科料・没収などの行政刑罰

条例違反に定められる拘禁刑、罰金、科料、没収は、刑罰にあたる制裁です。地方公共団体の条例に置かれる刑罰であるため、行政刑罰と呼ばれます。

過料は刑罰ではない

過料は、刑法上の刑罰ではなく、行政上の秩序を守るための制裁です。条例違反と規則違反のどちらにも定められますが、規則違反の場合に定められるのは過料だけです。また、規則違反の過料は、地方公共団体の長が直接科します。

まとめ:条例違反は行政刑罰等、規則違反は過料のみ

条例違反には、法令に特別の定めがある場合を除き、2年以下の拘禁刑、100万円以下の罰金、科料、没収、5万円以下の過料を定められます。一方、規則違反に定められるのは5万円以下の過料に限られます。

つまり、条例違反と規則違反の罰則の違いは、条例では刑罰にあたる行政刑罰または過料を定められるのに対し、規則では過料のみを定められる点にあります。