行政財産は、公用または公共用に使うための財産です。そのため、一般の財産のように自由に貸し付けたり、売り払ったりすることは、原則としてできません。
もっとも、本来の用途や目的を妨げない限度であれば、行政財産の使用を許可することは可能です。使用許可をした後でも、公用または公共用に使う必要が生じた場合などには、許可を取り消せます。一方、行政財産以外の普通財産は、管理や処分について、原則として特別な制限がありません。
行政財産とは?貸付けや処分が制限される理由
行政財産の意味
普通地方公共団体が所有する公有財産は、行政財産と普通財産に分けられます。
行政財産とは、普通地方公共団体において公用または公共用に供し、または供することと決定した財産です。普通財産とは、行政財産以外の一切の公有財産をいいます。
行政財産は公用または公共用に供するものであるため、貸付けや処分が制限されています。
行政財産は原則として貸付け・処分できない
地方自治法上の原則
地方自治法238条の4第1項により、行政財産は原則として、次の行為が禁止されています。
- 貸付け
- 交換
- 売払い
- 譲与
- 出資の目的とすること
- 信託
- 私権の設定
普通財産との違い
普通財産とは、行政財産に当たらない公有財産です。行政財産と異なり、公用または公共用に供するものではないため、その管理や処分についての制限は原則としてありません。
行政財産の使用許可は例外的に認められる
使用許可ができる条件
行政財産でも、その用途または目的を妨げない限度であれば、使用を許可できます(地方自治法238条の4第7項)。
使用許可に借地借家法は適用されない
行政財産の使用を許可した場合、借地借家法の規定は適用されません(同条第8項)。
使用許可を取り消せる場合
使用許可後でも、次の場合には、普通地方公共団体の長または委員会が許可を取り消せます(同条第9項)。
- 公用または公共用に供するため必要が生じた場合
- 許可の条件に違反する行為があると認められる場合
普通財産を貸し付けた場合の扱い
普通財産は、原則として貸し付けることができます。ただし、貸付期間中に国、地方公共団体その他公共団体において公用または公共用に供するため必要が生じた場合、普通地方公共団体の長は貸付契約を解除できます(地方自治法238条の5第4項)。
この場合、契約を解除された借受人は、これによって生じた損失について補償を求められます(同条第5項)。
まとめ
- 行政財産は、公用・公共用に使う財産である
- 貸付け、売払い、譲与、交換などは原則としてできない
- 用途や目的を妨げない限度で、使用許可はできる
- 必要が生じた場合や条件違反がある場合、使用許可を取り消せる
- 普通財産は、管理や処分について原則として特別な制限がない
