取り消すことができる行為の追認とは?追認の要件と効果を解説

追認とは、取り消すことができる法律行為を、有効なものとして確定させることです。追認をすると、以後その行為を取り消せなくなります。

この記事では、取り消すことができる行為について、追認の要件や効果を解説します。

取り消すことができる行為の追認とは

追認の意味

取り消すことができる行為は、一応有効な法律行為です。取消権を持つ人が追認すると、その行為は確定的に有効となります(民法122条)。

無効な行為の追認との違い

取り消すことができる行為は、追認によって有効なものとして確定します。一方、無効な行為は、原則として追認しても効力を生じません(民法119条)。

ただし、当事者が無効であることを知って追認した場合は、新たな法律行為をしたものとみなされます。ただし、その新たな法律行為についても、有効要件を満たさなければ有効とはなりません。

追認が有効になるための要件

取消権者が追認すること

追認できるのは、取消権を持つ人です。行為能力の制限を理由に取り消せる場合は、次の人が取消権者となります。

  • 制限行為能力者
  • その代理人
  • 承継人
  • 同意をすることができる者

錯誤・詐欺・強迫を理由に取り消せる場合は、瑕疵ある意思表示をした者、その代理人または承継人が追認できます。

取消しの原因となった状況が消滅していること

原則として、取消しの原因となった状況が消滅した後でなければ、追認できません。

取消権を有することを知っていること

取消しの原因となった状況が消滅しただけでは足りません。本人が取消権を有することを知った後でなければ、追認の効力は生じません(民法124条1項)。

例外的に原因となった状況の消滅を要しない場合

次の場合は、取消しの原因となった状況が消滅する前でも追認できます(民法124条2項)。

  1. 法定代理人または制限行為能力者の保佐人・補助人が追認するとき
  2. 成年被後見人を除く制限行為能力者が、法定代理人・保佐人・補助人の同意を得て追認するとき

追認の効果と法定追認

追認すると取り消せなくなる

追認によって、取り消すことができる行為は確定的に有効となり、以後、取り消すことができなくなります(民法122条)。

一定の行為をすると追認したものとみなされる「法定追認」

法定追認とは、取り消すことができる行為について、一定の事実が存在する場合に、当然に追認したものとみなされる制度です(民法125条)。法定追認事由は、次のとおりです。

  1. 全部または一部の履行。ただし、取消権者の履行または相手方の履行の受領に限る
  2. 履行の請求。ただし、取消権者が行うものに限る
  3. 更改。ただし、取消権者が債権者または債務者である場合に限る
  4. 担保の供与、または担保の供与を受けること
  5. 取り消すことができる行為によって取得した権利の全部または一部の譲渡。ただし、取消権者が譲渡した場合に限る
  6. 強制執行。ただし、取消権者の申立てに限る