境界標の設置費用は誰が負担する?隣地所有者との共有関係も解説

境界標を設置するときの費用は、原則として隣地所有者と分担します。ただし、境界標そのものの設置費用と、境界に関する測量費用では、負担割合が異なります。民法のルールを確認しましょう。

境界標の設置費用は隣地所有者と共同で負担する

境界標は隣地所有者と共同の費用で設置できる

民法223条は、土地の所有者が、隣地所有者と共同の費用で境界標を設置できると定めています。したがって、境界標を設置する場合でも、一方の土地所有者だけが当然に全額を負担する仕組みではありません。

設置費用・保存費用は原則として等しい割合で負担する

民法224条では、境界標の設置費用と、設置後に境界標を保存するための費用は、相隣者が等しい割合で負担するとされています。ここでいう相隣者とは、隣り合う土地の所有者です。

つまり、土地の面積に大きな差があっても、境界標の設置・保存にかかる費用は、原則として隣地所有者と半分ずつ負担します。

測量費用は土地の広さに応じて分担する

測量費用は設置・保存費用と負担割合が異なる

注意が必要なのは、境界に関する測量費用です。測量費用は、設置費用や保存費用のように必ず等分するのではなく、それぞれの土地の広さに応じて分担します。

費用の分担イメージ

たとえば、隣接する土地の一方が広く、もう一方が狭い場合、測量費用は土地の広さに応じて分担します。一方、境界標そのものの設置費用と、将来の保存費用は、原則として両者が同じ割合で負担します。

このように、境界に関する費用は、すべてを単純に折半するわけではありません。設置・保存費用と測量費用を分けて考えることが重要です。

境界標は隣地所有者との共有と推定される

境界線上に設置された境界標は共有と推定される

民法229条は、境界線上に設置された境界標について、隣地所有者との共有に属するものと推定しています。「推定」とは、反対の事情が証明されるまでは、そのように扱うという意味です。

そのため、境界線上の境界標を、一方の所有者だけの物として勝手に移動・撤去するのではなく、隣地所有者との共有関係を前提に取り扱う必要があります。

境界標を調査するために隣地を使用できる場合がある

境界標の調査や境界に関する測量に必要な範囲では、隣地を使用できます。ただし、住家については、その居住者の承諾がなければ立ち入ることはできません。

隣地を使用する場合は、あらかじめ目的、日時、場所、方法を隣地所有者および隣地を現に使用している人へ通知する必要があります。事前の通知が難しいときは、使用開始後、遅滞なく通知します。

使用方法は、隣地への損害が最も少ないものを選ばなければなりません。隣地の使用によって損害が生じた場合、隣地所有者や隣地使用者は、その損害について償金を請求できます。

まとめ

  • 境界標の設置費用と保存費用は、原則として隣地所有者と等しい割合で負担する
  • 測量費用は、土地の広さに応じて分担する
  • 境界線上の境界標は、隣地所有者との共有と推定される
  • 隣地を使用して境界標の調査や測量を行う場合は、必要な範囲に限り、通知や住家への立入りに関する条件を守る必要がある