債権者代位権における第三債務者の地位とは?抗弁の対抗を解説

債権者代位権が行使されると、債権者は、債務者が第三者に対して持つ権利を、債務者に代わって行使します。このとき、第三者である「第三債務者」は、債務者本人ではなく債権者から請求を受けることになります。

もっとも、債権者代位権によって、第三債務者の立場が債務者との関係より不利になるわけではありません。第三債務者は、債務者に対して主張できる抗弁を、債権者にも主張できます。

債権者代位権における第三債務者とは

債権者代位権には、次の三者が関係します。

  • 債権者:債務者に対して債権を持つ者
  • 債務者:債権者に対する債務を負い、第三債務者に対して権利を持つ者
  • 第三債務者:債務者から権利を行使される相手方

債務者が第三債務者に対する権利を行使しない場合、債権者は、債権者代位権の要件を満たせば、その権利を代位行使できます。債権者は債務者の代理人としてではなく、自己の名において請求を行います。

第三債務者は抗弁を債権者に対抗できる

民法423条の4は、債権者が被代位権利を行使した場合、第三債務者が債務者に対して主張できる抗弁を、債権者にも対抗できると定めています。

したがって、代位行使を受けた第三債務者は、債務者に対して認められていた抗弁を失いません。

同時履行の抗弁権も主張できる

例えば、債権者Aが、自己のBに対して有する金銭債権を被保全債権として、BのCに対する金銭債権を代位行使する場合、CがBに同時履行の抗弁権を有するときは、Aに対してもその抗弁を主張できます。

つまり、債権者が代位行使したというだけで、第三債務者が本来より重い義務を負うことはありません。

代位行使後も債務者による取立てなどは妨げられない

債権者が被代位権利を行使した場合であっても、債務者がその権利について自ら取立てその他の処分をすることは妨げられません。また、第三債務者も、債務者に対して履行することを妨げられません(民法423条の5)。

このように、債権者代位権を行使しても、第三債務者が債務者に対して主張できた抗弁を失うことはなく、債務者と第三債務者との関係が当然に消滅するわけでもありません。

まとめ

  • 第三債務者とは、債務者に対して債務を負う相手方である
  • 債権者は、自己の名で被代位権利を行使する
  • 第三債務者は、債務者に対する抗弁を債権者にも対抗できる
  • 同時履行の抗弁権も主張できる
  • 代位行使後も、債務者による被代位権利の取立てなどは妨げられない