債務引受とは?免責的債務引受と併存的債務引受の違いをわかりやすく解説

債務引受とは、債務者以外の第三者が、債務者が負担する債務と同じ内容の債務を引き受け、債権者に弁済する責任を負うことです。

債務引受には、主に「免責的債務引受」と「併存的債務引受」があります。大きな違いは、もとの債務者(旧債務者)が債務から外れるか、それとも引受人とともに債務を負い続けるかです。

債務引受とは

債務引受の意味

債務引受では、次の3者が登場します。

  • 債権者:支払いなどの履行を請求できる人
  • 旧債務者:もともと債務を負っている人
  • 引受人:新たに債務を引き受ける第三者

たとえば、BがAに対して負担する貸金返済債務について、CがBの代わりに債務者となり、またはCがBとともに債務者となるケースです。前者を「免責的債務引受」、後者を「併存的債務引受」といいます。

免責的債務引受と併存的債務引受の違い

項目 免責的債務引受 併存的債務引受
旧債務者 債務を免れる 債務を負い続ける
引受人 旧債務者に代わって債務を負う 旧債務者と連帯して債務を負う
債務者の人数 引受人のみ 旧債務者と引受人
担保権 一定の要件で引受人の債務へ移せる 旧債務が残るため、そのまま存続する

免責的債務引受の成立要件と効果

免責的債務引受が成立する方法

  1. 債権者・旧債務者・引受人の三者で契約する
  2. 債権者と引受人が契約する。この場合、債権者が旧債務者に契約をした旨を通知した時に効力が生じます(民法472条2項)。
  3. 旧債務者と引受人が契約する。この場合、債権者が引受人に承諾した時に効力が生じます(同条3項)。

免責的債務引受の主な効果

引受人は、旧債務者と同じ内容の債務を負い、旧債務者は債務を免れます(民法472条1項)。引受人は、効力発生時に旧債務者が主張できた抗弁を、債権者に対して主張できます。また、旧債務者が取消権または解除権を有していた場合、これらの権利の行使によって旧債務者が債務を免れることができた限度で、履行を拒めます。

引受人は、旧債務者に対する求償権を取得しません。さらに、債権者は一定の要件を満たせば、旧債務を担保していた担保権を引受人の債務へ移せます。

担保権を移す場合の条件

債権者は、あらかじめ、または免責的債務引受と同時に、引受人へ担保権を移す意思表示をする必要があります。引受人以外の第三者が担保を設定していた場合は、その第三者の承諾も必要です。

併存的債務引受の成立要件と効果

併存的債務引受が成立する方法

  1. 債権者・旧債務者・引受人の三者で契約する
  2. 債権者と引受人が契約する(民法470条2項)
  3. 旧債務者と引受人が契約し、債権者が引受人に承諾する(同条3項)

併存的債務引受の主な効果

引受人は、旧債務者と連帯して、同じ内容の債務を負います(民法470条1項)。旧債務者の債務は消滅しないため、旧債務を担保していた担保権もそのまま存続します。

引受人は、効力発生時に旧債務者が主張できた抗弁を債権者に対抗できます。また、旧債務者が取消権または解除権を有していたときは、これらの権利の行使によって旧債務者が債務を免れるべき限度で、引受人も履行を拒めます。

2種類の違いを判断するポイント

契約を確認するときは、旧債務者が債務から外れるのか、引受人だけが債務を負うのか、両者が連帯して負うのか、そして担保権が移転するのか、そのまま残るのかを確認しましょう。

まとめ

  • 債務引受とは、第三者が債務者と同じ内容の債務を引き受けることです。
  • 免責的債務引受では、引受人が債務を負い、旧債務者は債務を免れます。
  • 併存的債務引受では、旧債務者の債務が残り、引受人も連帯して債務を負います。
  • いずれも、三者間契約のほか、債権者と引受人、または旧債務者と引受人の契約で成立する場合があります。