契約の成立時期はいつ?到達主義と承諾通知が不要な場合を解説

契約は、原則として、一方の「申込み」と相手方の「承諾」が一致することによって成立します。通常は、承諾の通知が申込者に到達した時点で契約が成立します。これを到達主義といいます。

もっとも、申込者の意思表示や取引上の慣習によって承諾の通知が不要な場合には、別の基準が適用されます。以下、契約の成立時期を原則と例外に分けて説明します。

契約は原則として申込みと承諾が合致することで成立する

契約成立の基本

契約とは、一定の権利・義務の関係を発生、変更、消滅させる目的で行われる、当事者の意思表示の合致です。一方が契約内容を示して締結を申し入れることを「申込み」といい、相手方がそれに応じることを「承諾」といいます(民法522条1項)。

法令に特別な定めがない限り、契約書の作成など決められた方式は必要ありません(同条2項)。

申込みと違う内容で承諾した場合

相手方が、申込みに条件を付したり、内容を変更したりして承諾した場合、それは元の申込みに対する承諾とは扱われません。元の申込みを拒絶するとともに、新たな申込みをしたものとみなされます(民法528条)。

例えば、AがBに対して甲土地を1,000万円で売ってほしいと申し込んだところ、Bが2,000万円なら売ると返答した場合、2,000万円の売買契約が直ちに成立するわけではありません。Aが改めて承諾する必要があります。

到達主義では承諾の通知が相手方に届いた時に契約が成立する

意思表示は相手方への到達で効力が生じる

意思表示は、原則として、その通知が相手方に到達した時から効力を生じます(民法97条1項)。したがって、原則として、承諾の通知を発した時ではなく、申込者に到達した時点で契約が成立します。

申込みの効力に関する例外

申込みの通知を発した後に申込者が死亡し、意思能力を有しない常況にある者となり、または行為能力の制限を受けた場合でも、原則として申込みの効力は妨げられません。

ただし、申込者がその事実が生じた場合には申込みが効力を有しない旨の意思を表示していたときや、相手方が承諾の通知を発するまでにその事実が生じたことを知ったときは、申込みは効力を有しません(民法97条3項、526条)。

承諾通知が不要な場合は承諾と認められる事実があった時に成立する

承諾通知が不要となる条件

申込者の意思表示または取引上の慣習により承諾の通知を必要としない場合には、承諾の通知の到達を待つ必要はありません(民法527条)。

契約が成立する時点

承諾の通知が不要な場合は、承諾の意思表示と認めるべき事実があった時に契約が成立します。

原則は承諾通知の到達時、例外は承諾と認めるべき事実があった時です。契約の成立時期を判断する際は、申込者の意思表示や取引上の慣習によって、承諾の通知が不要といえるかを確認する必要があります。

まとめ

  • 契約は、原則として申込みと承諾の合致によって成立する
  • 原則として、到達主義により承諾の通知が申込者に到達した時に成立する
  • 承諾の通知が不要な場合は、承諾と認めるべき事実があった時に成立する
  • 申込みと異なる内容の承諾は新たな申込みとなり、別途承諾が必要になる