贈与契約とは?成立要件や特徴をわかりやすく解説

贈与契約とは、財産を無償で相手に与える契約です。口約束でも成立しますが、書面の有無や履行の状況によっては、後から解除できるかどうかが変わります。

ここでは、贈与契約の成立要件、基本的な特徴、成立後の効果、特殊な贈与の種類を説明します。

贈与契約とは?成立要件と3つの特徴

贈与契約の意味

贈与契約は、贈与者が財産を無償で与える意思を表示し、受贈者が受諾することで効力が生じます。民法549条に定められており、対象となるのは現金や物だけでなく、財産上の権利も含まれます。

贈与契約が成立する要件

  • 贈与者が財産を与える意思表示をすること
  • 受贈者が贈与を受ける意思表示をすること

この2つの意思が合致すれば、原則として契約書がなくても成立します。実際に財産を引き渡すことは、契約成立の要件ではありません。

贈与契約の特徴

  • 諾成契約:当事者の合意だけで成立する契約
  • 片務契約:原則として、贈与者だけが財産を移転する義務を負う契約
  • 無償契約:受贈者が対価を支払わない契約

贈与契約の成立後に生じる効果と解除

贈与者が負う引渡し・権利移転の義務

契約が成立すると、贈与者は、契約の内容に適合する物や権利を引き渡し、または移転する義務を負います。

ただし、贈与は無償契約であるため、贈与の目的物は、原則として贈与の目的として特定した時点の状態で引き渡し、または移転するものと推定されます。たとえば、契約時にすでに不具合のある中古自動車を贈ることを決めた場合、その不具合がある状態で引き渡すことが契約の内容と推定されます。

書面によらない贈与は解除できる

書面によらない贈与は、すでに履行が終わった部分を除き、贈与者・受贈者のいずれからも解除できます。

なお、解除できるのは未履行の部分です。すでに財産の移転などが完了した部分については、書面によらない贈与であっても、この規定による解除はできません。

不動産の贈与で履行が終わる場合

書面によらない不動産贈与では、次のいずれかが行われると、履行が終わったものとして扱われます。

  • 所有権移転登記
  • 不動産の引渡し

たとえば、引渡しがまだでも所有権移転登記が済んでいれば、未実施の手続が残っていることだけを理由に、書面によらない贈与として解除することはできません。

贈与契約の主な種類

定期贈与

定期贈与とは、毎月・毎年など、一定の金銭や物品を繰り返し給付する契約です。期間を定めているかどうかにかかわらず、贈与者または受贈者の一方が死亡すると、効力を失います。

負担付贈与

負担付贈与は、受贈者にも一定の給付義務を負わせる贈与です。たとえば、贈与された建物に残る住宅ローンの返済を受贈者が引き受ける契約が挙げられます。

性質に反しない限り、売買など双務契約の規定が準用されます。また、贈与者は、受贈者が負担する義務の限度で、売主と同じ担保責任を負います。

死因贈与

死因贈与とは、贈与者が死亡した時点で効力が生じる贈与契約です。贈与者と受贈者の合意による契約であり、一方的な意思表示である遺言による遺贈とは異なります。

死因贈与には、性質に反しない限り、遺贈に関する規定が準用されます。ただし、遺贈の方式に関する規定は死因贈与には準用されません。

また、遺言の方式に関する部分を除き、遺言の撤回に関する規定が準用されます。ただし、負担付死因贈与で、受贈者が負担の全部またはこれに類する程度の履行をした場合は、特段の事情がない限り、遺言の撤回などに関する規定は準用されません。

まとめ

贈与契約とは、贈与者の意思表示と受贈者の受諾によって効力が生じる、財産を無償で与える契約です。諾成・片務・無償契約であり、原則として口頭でも成立します。

ただし、書面によらない贈与は履行済みの部分を除いて解除でき、不動産では所有権移転登記または引渡しが済むと解除できなくなります。定期贈与・負担付贈与・死因贈与には、それぞれ異なるルールがあるため、契約内容を確認することが大切です。