法の時間的効力とは、法令がいつから効力を持ち、いつまで続くのかという問題です。主に、①効力が発生する時点、②過去の行為に適用されるか、③改正・廃止後にも効力が残るか、という点を確認します。
法令の効力はいつ発生する?公布と施行の違い
公布とは、法令を国民に知らせること
公布とは、法令の内容を国民に知らせることです。法律は官報に掲載されます。ただし、公布された日が、そのまま法令の効力発生日になるとは限りません。公布は、施行に先立って内容を知らせる段階といえます。
施行とは、法令の効力を発生させること
施行とは、法令の規定を現実に効力あるものにすることです。原則として、法令は施行日(施行期日)から効力を持ちます。施行日が附則や施行法で定められている場合は、その定めに従います。
施行日の定めがない場合は、法律では公布の日から起算して20日を経過した日、条例では公布の日から起算して10日を経過した日が施行日となります。
法令は過去の行為にも適用される?不遡及の原則
原則:法令は将来に向かって適用される
施行された法令は、将来に向かってのみ効力を生じ、過去に遡って効力が生じることは原則としてありません。これを法律不遡及の原則(法令不遡及の原則)といいます。
例外:遡及適用が認められる場合
税法などの中には、遡及適用を認めるものもあります。ただし、遡及適用が常に認められるわけではありません。個別の法令に、そのような定めがあるかを確認する必要があります。
刑法では遡及処罰が認められない
特に刑法では、憲法31条・39条において、犯罪とその刑罰はあらかじめ法律に定められていなければならないという罪刑法定主義が明示されています。そのため、この例外は認められていません。
法令の効力はいつまで続く?改正・廃止後の扱い
原則:改正または廃止されるまで効力を持つ
法令は、施行後、改正または廃止されるまで効力を持つのが一般的です。したがって、法の時間的効力では、効力が始まる時点だけでなく、終わる時点も問題になります。
有効期間が定められている法令
法令自身が有効期間を定めている場合、その期間が終了すると効力を失います。このような法令を限時法といい、一般に時限立法とも呼ばれます。
一方、臨時法は、一時的な事態に対応するための法令で、有効期間の定めがないものです。
なお、改正・廃止後も、経過規定によって従前の規定が効力を持つことがあります。特に、法令の失効前に行われた行為について、失効後も罰則を適用すると定められている場合があります。
