認知とは、婚姻関係にない男女の間に生まれた子について、父との法律上の親子関係を成立させる手続きです。認知の方法には、認知届を提出する方法と、遺言による方法があります。胎児や成年の子、死亡した子を認知する場合には、特別な要件が必要です。
認知とは?認知によって何が変わるのか
認知の意味
婚姻関係にない男女の間に生まれた子は、父との法律上の親子関係が当然には成立しません。そこで、父が認知することにより、法律上の父子関係を成立させます。
一方、母と子の関係は、分娩の事実によって認知を待たずに当然に生じます。婚姻中の夫婦の子について法律上の父が定められる場合は、認知とは別の問題です。
認知の効力
認知の効力は、子の出生時にさかのぼって発生します。ただし、認知より前に第三者が取得した権利を害することはできません。
認知の方法は2種類|認知届と遺言
認知届を提出する方法
認知は、戸籍法の定めに従って認知届を提出して行います。認知をする父が未成年者や成年被後見人であっても、法定代理人の同意は必要ありません。
また、嫡出でない子について、父が子を嫡出子として出生届に記載して提出した場合でも、認知届としての効力が認められます。
遺言による認知
認知は、遺言によって行うこともできます。胎児、成年の子、死亡した子を遺言で認知する場合も、それぞれ特別な要件が適用されます。
胎児・成年の子・死亡した子を認知する場合の要件
胎児認知の要件
胎内にいる子を認知する場合は、母の承諾が必要です。ただし、出生後に嫡出の推定によって法律上の父が定められるときは、胎児認知は効力を生じません。
成年の子を認知する場合の要件
成年の子を認知するには、子本人の承諾が必要です。
死亡した子を認知する場合の要件
死亡した子は、その直系卑属がいる場合に限り認知できます。直系卑属とは、子や孫など、自分より後の世代にあたる直系の親族です。直系卑属が成年者である場合は、その承諾も必要です。
父が認知しない場合・認知に争いがある場合
父が認知しない場合は認知の訴えができる
父が認知しないときは、子、その直系卑属、またはこれらの者の法定代理人が、認知の訴えを提起できます。ただし、父の死亡日から3年を過ぎると提起できません。認知届や遺言による認知とは異なり、裁判によって認知を求める方法です。
認知が事実と異なる場合の無効の訴え
認知について反対の事実がある場合は、認知の無効の訴えを提起できます。提起できる者と期間は次のとおりです。
- 子またはその法定代理人:認知を知った時から7年以内
- 認知をした者:認知の時から7年以内
- 子の母:認知を知った時から7年以内
まとめ|認知の方法と要件
認知の方法は、認知届の提出または遺言による認知です。認知により父子の法律上の親子関係が成立し、その効力は出生時にさかのぼります。胎児認知には母の承諾、成年の子の認知には本人の承諾が必要です。死亡した子の認知には直系卑属が必要で、その直系卑属が成年者なら承諾も求められます。父が認知しない場合は認知の訴え、認知について反対の事実がある場合は認知の無効の訴えが問題となります。
