後見人とは、本人に代わって法律行為をしたり、財産を管理したりする法定代理人です。後見人には、未成年者を支援する未成年後見人と、成年被後見人を支援する成年後見人があります。両者は、対象者や選任方法、後見が始まる条件などが異なります。
後見人とは
後見人は本人を支援する法定代理人
後見人は、被後見人の身上監護や財産管理などに関する事務を行います。また、後見人は本人の利益を考え、後見の本旨に従い、善良な管理者として注意を払って職務を行わなければなりません。
後見人は複数人や法人が選ばれることもある
後見人は1人に限られず、複数人が選ばれることがあります。また、個人だけでなく法人が就任する場合もあります。ただし、未成年者、家庭裁判所で免ぜられた法定代理人・保佐人・補助人、破産者、被後見人に対して訴訟をし、又はした者とその配偶者・直系血族、行方の知れない者は、法律上、後見人になれません。
未成年後見人とは
未成年後見人が付される条件
未成年後見人は、未成年者に親権者がいない場合や、親権者がいても財産を管理する権限を持たない場合に置かれます。親権者に代わり、未成年者の身上監護、財産の管理、財産に関する法律行為の代理などを行います。
未成年後見人の指定・選任方法
未成年者に対して最後に親権を行う者は、遺言によって未成年後見人を指定できます。ただし、財産の管理権を持たない者は指定できません。
遺言による指定がない場合や、未成年後見人がいなくなった場合は、未成年被後見人、親族その他の利害関係人の請求により、家庭裁判所が選任します。
成年後見人とは
成年後見人が付される対象
成年後見人は、成年被後見人に付される後見人です。本人の身上監護や財産管理を行うほか、本人に代わって法律行為をする法定代理人でもあります。
成年後見人の選任方法
家庭裁判所が後見開始の審判をするときは、職権で成年後見人を選任します。成年後見人が欠けた場合も、成年被後見人や親族などの請求、または家庭裁判所の職権によって選任されます。
成年後見人による居住用不動産の処分には許可が必要
成年後見人であっても、本人が居住の用に供する建物やその敷地を自由に処分できるわけではありません。売却、賃貸、賃貸借の解除、抵当権の設定などを行うには、家庭裁判所の許可が必要です。
未成年後見人と成年後見人の違い
| 比較項目 | 未成年後見人 | 成年後見人 |
|---|---|---|
| 対象者 | 未成年者 | 成年被後見人 |
| 始まる条件 | 親権者がいない、または管理権を持たない | 後見開始の審判がされる |
| 選任方法 | 遺言による指定、または家庭裁判所の選任 | 家庭裁判所が選任 |
| 主な役割 | 身上監護・財産管理など | 身上監護・財産管理など |
| 法定代理権 | ある | ある |
このように、どちらも本人を支援する法定代理人であり、身上監護や財産管理を担う点は共通しています。一方、未成年後見人は親権者がいないなどの未成年者に置かれ、成年後見人は家庭裁判所の後見開始の審判に伴って選任される点が大きな違いです。
まとめ
- 後見人には、未成年後見人と成年後見人がある
- どちらも被後見人の法定代理人として、身上監護や財産管理などを行う
- 未成年後見人は、親権者がいない、または管理権を持たない未成年者に付される
- 成年後見人は、後見開始の審判に伴い家庭裁判所が選任する
- 両者は、対象者と選任方法が異なる
