亡くなった人に相続人がいない場合や、相続人がいることが明らかでない場合でも、相続財産が放置されたままになるわけではありません。民法では、相続財産を法人として扱い、家庭裁判所が選任する相続財産清算人によって清算手続などを進めます。
相続人がいない場合、相続財産は「相続財産法人」になる
法律上は「相続人のあることが明らかでない」場合が対象
人が死亡した場合において、相続人のあることが明らかでないときは、相続財産は相続財産法人とされます(民法951条)。
相続放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなされます(民法939条)。
相続財産法人になるとどうなるか
相続財産法人については、その後、相続財産清算人が選任され、必要な清算手続などが進められます。
相続財産清算人が選任され、相続財産を清算する
相続財産清算人が選ばれる方法
相続財産清算人は、利害関係人または検察官の請求に基づき、家庭裁判所が選任します(民法952条)。
相続財産清算人が行うこと
選任された相続財産清算人によって、相続財産の清算手続などがなされます。
清算後に財産が残った場合はどうなるか
特別縁故者がいる場合
相続財産清算人による清算手続などの後、残存している相続財産は、被相続人に特別縁故者がいる場合には、その者の請求に基づき、財産分与の対象となります(民法958条の2)。
特別縁故者には、次のような人が該当します。
- 被相続人と生計を同じくしていた者
- 被相続人の療養看護に努めた者
- その他、被相続人と特別の縁故があった者
特別縁故者に対する財産分与は、その者の請求に基づいて行われます。
特別縁故者がいない場合など
特別縁故者がいない場合など、処分されなかった相続財産は、国庫に帰属します(民法959条)。つまり、相続人がいない場合に直ちに国庫へ移るのではなく、相続財産法人の成立、相続財産清算人による清算、特別縁故者への財産分与という流れを経て、処分されなかった財産が国庫に帰属します。
まとめ
- 相続人がいない、または相続人のあることが明らかでない場合、相続財産は相続財産法人とされます。
- 利害関係人または検察官の請求により、家庭裁判所が相続財産清算人を選任します。
- 相続財産清算人によって、相続財産の清算手続などがなされます。
- 清算後に財産が残れば、特別縁故者に対する財産分与の対象となり、それでも処分されない財産は国庫に帰属します。
