行政不服審査法の目的とは?国民の権利救済と行政運営の適正化を解説

行政不服審査法とは?行政への不服申立てを定めた法律

行政不服審査法は、行政庁による違法または不当な処分その他公権力の行使に当たる行為について、国民が行政庁に不服を申し立てるための制度を定めた法律です。

ここでいう処分とは、行政庁の「処分その他公権力の行使に当たる行為」を指します。また、法令に基づく申請に対して、行政庁が何らの処分もしない不作為も対象になります。

行政上の不服申立てについては、行政不服審査法が一般法として定められています。ただし、他の法律に特別の定めがある場合を除き、この法律が適用されます。

行政不服審査法の目的は「国民の権利利益の救済」

行政の活動によって、国民の権利や利益が侵害されることがあります。行政不服審査法は、そのような場合に、行政庁へ不服を申し立て、行政の活動の是正を求める機会を保障するものです。

たとえば、ある人が法令に基づく申請をしたにもかかわらず、行政庁から処分を受けたとします。その処分に違法または不当な点があると考える場合、その人は行政庁に不服を申し立てることができます。

この法律の「国民」には、個人だけでなく法人などの団体も含まれると解されています。また、日本国籍を持たない外国人も含まれるとされています。

もう一つの目的は「行政の適正な運営の確保」

行政不服審査法は、申立てをした人を救済するだけの制度ではありません。不服申立てを通じて、行政庁が行った違法・不当な処分や不作為を是正し、行政の適正な運営を確保することも目的です。

つまり、この法律が目指すのは、次の2つです。

  • 国民の権利利益を救済すること
  • 行政の適正な運営を確保すること

「簡易・迅速・公正な手続」で不服申立てを可能にする

行政不服審査法は、国民が行政庁に対して、簡易、迅速かつ公正な手続の下で広く不服を申し立てられる制度を定めています。

平成26年の全文改正では、「簡易」「迅速」に加えて「公正な」手続であることが明記されました。

まとめ

行政不服審査法の目的は、行政庁の違法または不当な処分その他公権力の行使に当たる行為について、国民の権利利益を救済するとともに、行政の適正な運営を確保することです。

そのために、国民が簡易・迅速・公正な手続の下で行政庁に不服を申し立てられる制度が設けられています。行政不服審査法は、国民の救済と行政運営の適正化を同時に目指す法律です。