審査請求書が法律上の提出要件に違反している場合、審査庁は補正命令をしなければなりません。補正命令とは、審査請求書の不備を、定められた期間内に補正するよう命じるものです。
指定された期間内に補正しなければ、審理手続を経ないで、裁決により審査請求が却下されることがあります。
審査請求書の補正命令とは
審査請求書の不備を直すよう求める制度
審査請求は、原則として審査請求書を提出して行います。審査請求書には、法律で定められた事項を記載しなければなりません。他の法律や条例に口頭で審査請求ができる旨の定めがある場合に限り、口頭で請求することもできます(行政不服審査法19条1項)。
審査請求書が提出に関する規定に違反している場合、審査庁は、相当の期間を定めて不備を補正するよう命じなければなりません。根拠は行政不服審査法23条です。
つまり、補正命令は審査庁の自由なサービスではなく、要件を満たさない審査請求書が提出されたときに行う法的な手続です。
補正命令の対象となる主な不備
- 処分についての審査請求で、対象となる処分の内容が記載されていない
- その処分があったことを知った年月日が書かれていない
- 不作為についての審査請求で、申請した処分の内容や申請年月日が記載されていない
- その他、審査請求書の提出に関する規定に違反している
処分についての審査請求と不作為についての審査請求では、審査請求書に記載しなければならない事項が異なります。
補正しない場合は審査請求が却下される
指定期間内に補正しない場合
補正命令を受けた後、定められた期間内に不備を補正しないときは、審査庁は、審理手続を経ないで、裁決により審査請求を却下できます(行政不服審査法24条1項)。
つまり、補正命令で不備の補正を命じられたにもかかわらず、期限までに補正しなければ、審理手続に進まず却下されることがあります。
補正できないことが明らかな場合
補正をしなかった場合とは別に、そもそも不適法であり、補正によっても適法な審査請求にできないことが明らかなときもあります。この場合、審査庁は審理手続を経ないで、裁決により却下できます(同法24条2項)。
まとめ
- 審査請求書が提出に関する規定に違反すると、審査庁は補正を命じなければならない
- 審査請求書には、処分や不作為に応じて所定の事項を記載する必要がある
- 期限内に補正しないと、審理手続を経ずに却下されることがある
- 補正によっても適法にできないことが明らかな場合も、却下の対象となる
