告示のように、特定の相手方がいない行為については、処分性がないようにも思われます。
しかし、建築基準法上の2項道路指定について、最高裁判所は、告示による一括指定であっても処分性を認めました。ここでは、処分性の意味と、2項道路指定に関する最高裁判例を解説します。
処分性とは?告示との関係で問題になる理由
処分性の意味
処分性とは、行政庁の行為が、取消訴訟の対象となる「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為」に当たるかどうかをいいます。
判例上、処分性が認められるのは、行政庁の行為が、法律に基づいて国民に対して直接行われ、その結果として国民の権利義務を形成したり、その範囲を確定したりする場合です。
処分性が認められなければ、取消訴訟を提起しても、裁判所は行為の適法性を判断せず、訴えを却下します。
告示でも処分性が認められる場合がある
告示のように特定の相手方がいない行為であっても、告示によって個別の土地や人に直接、具体的な法的効果が生じる場合には、処分性が認められることがあります。この点が問題となったのが、2項道路指定です。
2項道路の指定には処分性がある?最高裁判例を解説
事件のポイント
建築基準法42条2項に基づく道路指定が、告示による一括指定の方法で行われていました。そこで、その告示が取消訴訟の対象となる行政処分に当たるかが争われました。
問題は、告示が特定の土地所有者などを個別の相手方としていない点です。
最高裁の結論
最高裁判所は、平成14年1月17日判決において、告示による一括指定であっても処分性が認められると判断しました。
つまり、「告示には処分性がない」と一律に考えることはできません。
処分性が認められた理由
2項道路は、告示によって指定の効果が生じます。その効果が及ぶ個々の道は2項道路とされ、敷地所有者は具体的な私権の制限を受けます。
- 道路内での建築などが制限される
- 私道の変更や廃止が制限される
このように、2項道路指定は、個別の土地について具体的な私権制限を直接発生させます。そのため、個別通知ではなく一括指定の告示による場合でも、個人の権利義務に直接影響を与える行政処分に当たるとされました。
判例から分かる「告示の処分性」の判断ポイント
告示の処分性は、告示かどうかという形式だけでなく、指定によって個別の土地や特定の人に具体的な法的効果が直接生じるかを見て判断します。
2項道路指定では、告示そのものによって指定の効果が発生し、建築や私道の変更・廃止に関する制限が生じました。この直接的な私権制限が、処分性を認める決め手となったのです。
まとめ
処分性とは、行政庁の行為が取消訴訟の対象となる行政処分に当たるかどうかをいいます。
告示のように特定の相手方がいない行為でも、処分性が否定されるとは限りません。建築基準法42条2項の2項道路指定について、最高裁は、告示による一括指定であっても処分性を認めました。指定によって、個々の土地に建築制限や私道の変更・廃止制限など、具体的な私権制限が直接生じるためです。
