無効等確認の訴えとは、行政庁が行った処分や裁決について、その存在や効力があるかどうかの確認を求める訴訟です。取消訴訟と異なり、出訴期間の定めがない点に特徴があります。
ここでは、無効等確認の訴えの意味、4つの種類、提起できる条件や出訴期間を分かりやすく説明します。
無効等確認の訴えとは
無効等確認の訴えの意味
行政事件訴訟法3条4項は、処分または裁決の存否、あるいは効力の有無の確認を求める訴えを、無効等確認の訴えと定めています。
実務上、特に問題となるのは、行政処分に重大かつ明白な瑕疵(重大で、外から見ても明らかな法的な欠陥)があるとして、処分の無効確認を求めるケースです。単に違法なだけでなく、処分の効力を認めることが適切でないほどの欠陥が必要になります。
取消訴訟との関係
取消訴訟は、違法な処分を裁判によって取り消すための訴えです。一方、無効等確認の訴えは、重大かつ明白な瑕疵があるため、そもそも処分に効力がないことの確認を求めます。
したがって、処分に違法性があるだけでは、無効等確認の訴えが認められるとは限りません。
無効等確認の訴えの4つの種類
処分・裁決の存在確認の訴え
行政庁の処分や裁決が存在することの確認を求める訴えです。
処分・裁決の不存在確認の訴え
処分や裁決が存在しないことの確認を求める訴えです。
処分・裁決の有効確認の訴え
処分や裁決が有効であることの確認を求める訴えです。
処分・裁決の無効確認の訴え
処分や裁決が無効であることの確認を求める訴えです。4種類のなかでは、この類型が実際に問題となることが多いとされています。
無効等確認の訴えを提起できる条件と出訴期間
原告になれる人
原告になれるのは、次のいずれかに該当する人です。
- 処分や裁決に続く処分によって、損害を受けるおそれがある人
- 処分や裁決の存在または効力の有無を確認することについて、法律上の利益がある人
さらに、処分や裁決を前提とする現在の法律関係に関する訴えでは、目的を達成できないことも必要です。この要件から、無効等確認の訴えは、将来の損害を防ぐ予防訴訟と、ほかの訴えで解決できない場合に使う補充訴訟に分けられます。
現在の法律関係に関する訴えには、公法上の法律関係を対象とする実質的当事者訴訟や、私法上の法律関係を対象とする争点訴訟があります。まずはそれらの訴えで解決できるかを確認し、目的を達成できない場合に無効等確認の訴えを検討します。
出訴期間の制限
無効等確認の訴えには、取消訴訟のような出訴期間の定めがありません。そのため、取消訴訟の期間を過ぎた後でも、提起できる場合があります。
ただし、期間制限がないからといって、誰でもいつでも提起できるわけではありません。重大かつ明白な瑕疵や、原告適格などの要件を満たす必要があります。
審査請求を先に行う必要があるか
無効等確認の訴えには、審査請求を先に行わなければならないという審査請求前置主義は適用されません。審査請求を経ずに提起できます。
まとめ
- 無効等確認の訴えは、処分や裁決の存在・効力の有無を確認する訴訟です。
- 種類は、存在確認・不存在確認・有効確認・無効確認の4つです。
- 実務上は、重大かつ明白な瑕疵がある処分の無効確認が中心です。
- 出訴期間の制限はなく、審査請求を先に行う必要もありません。
- ただし、原告適格などの要件を満たす必要があります。
