自治体によって条例の内容が違うと、「住む場所によって扱いが変わるのは不公平ではないか」と感じるかもしれません。しかし、条例による地域差があるというだけで、直ちに憲法14条の平等原則違反になるわけではありません。
条例による地域差は、直ちに憲法14条違反とはならない
自治体ごとに条例を定められるため、地域差が生じる
憲法94条は、地方公共団体に対し、法律の範囲内で条例を制定する権限を認めています。普通地方公共団体は、法令に違反しない限り、地方自治法2条2項の事務に関して条例を制定できます。
条例は、原則として制定した地方公共団体の区域内で効力を持ちます。そのため、自治体ごとに条例の内容が異なり、住民に適用されるルールに差が生じることがあります。
最高裁判所も、条例による差異を直ちに違憲とはしていない
最高裁判所は、条例を制定した結果として自治体ごとの取扱いに違いが生じても、そのことだけで憲法14条に違反するものではないと判断しています(最高裁大法廷昭和60年10月23日判決)。
条例による地域差が認められる理由
地域の実情に応じたルールを定めることがあるため
条例は、地方公共団体がその区域内の事務について定めるルールです。そのため、自治体ごとに条例が異なり、地域差が生じることがあります。
地域差があることと、平等原則違反とは別に考える
憲法14条との関係では、自治体間に差があるという事実だけでなく、条例そのものが法令に違反していないかなどを分けて考える必要があります。条例を制定する結果として取扱いに差異が生じても、そのことだけで憲法14条違反となるわけではありません。
条例による地域差を考えるときのポイント
まず、他の自治体と条例が違うからといって、直ちに「平等原則違反」と判断しないことが重要です。次に、その条例が憲法94条や地方自治法に基づく条例制定権の範囲内にあるかを確認します。
条例は「法律の範囲内」で定めなければならず、法令に違反する条例は効力を持ちません。つまり、次の2点は分けて考える必要があります。
- 自治体ごとに条例が異なることによる地域差
- 条例そのものが法律の範囲を超えているかどうか
前者については、地域差が生じたことだけで憲法14条違反となるわけではありません。
まとめ
- 地方公共団体は、法律の範囲内で条例を制定できる
- 条例は原則として自治体の区域内で効力を持つため、地域差が生じることがある
- 条例による取扱いの差があるだけで、直ちに憲法14条違反とはならない
- ただし、条例が法令に違反していないかは別に確認する必要がある
