地方自治体の支出とは?寄附や補助が認められる場合も解説

普通地方公共団体は、自治体の事務に必要な経費や、法律またはこれに基づく政令によって自治体の負担に属する経費を支出します。

もっとも、寄附や補助については、自治体に関係する支出であれば自由にできるわけではありません。地方自治法上、公益上必要がある場合に限って認められます。以下、地方自治体の支出の基本と、寄附・補助の条件を説明します。

地方自治体の「支出」とは

自治体の事務に必要な経費などを支払うこと

普通地方公共団体は、自ら処理する事務に必要な経費を支出します。ここでいう事務には、自治事務だけでなく、法定受託事務も含まれます。

また、法律やそれに基づく政令によって、自治体の負担とされている経費も支出の対象です。このように、支出は自治体が行う事務に必要な経費だけでなく、法令上、自治体の負担に属する経費も含みます。法律などにより自治体へ事務の処理が義務付けられる場合、国はそのために必要な経費の財源について必要な措置を講じなければなりません。

支出は予算や会計年度のルールに従う

普通地方公共団体の会計年度は、毎年4月1日から翌年3月31日までです。1会計年度における一切の収入と支出は、すべて歳入歳出予算に編入するのが原則です。また、各会計年度の歳出は、原則としてその年度の歳入を財源とします。

ただし、継続費、繰越明許費、事故繰越しといった例外があります。予算は、原則として年度開始前に議会の議決を経なければなりません。

地方自治体が支出するための手続と確認

会計管理者は支出命令がなければ支出できない

会計管理者は、自治体の長の命令がなければ、公金を支出できません。ただし、支出命令があれば直ちに支払えるわけでもありません。会計管理者は、次の点を確認する必要があります。

  • 支出負担行為が法令に違反していないこと
  • 支出負担行為が予算に違反していないこと
  • 支出負担行為に係る債務が確定していること

したがって、予算に金額が計上されているだけで、自由に支出できるわけではありません。

支出の基本的な流れ

  1. 予算に基づいて支出負担行為を行う
  2. 自治体の長が会計管理者へ支出命令を出す
  3. 会計管理者が法令・予算への適合や債務の確定を確認する
  4. 確認後、公金を支出する

寄附や補助が認められる場合

公益上必要がある場合に限り認められる

普通地方公共団体は、公益上必要がある場合に限り、寄附または補助を行えます。寄附・補助も公金の支出であるため、公益上の必要性が求められます。

特定の活動を支援したいという事情だけで、当然に認められるわけではありません。

寄附・補助の決定手続に関する注意点

地方自治法には、寄附・補助の支出の決定やその手続について、明文の規定はありません。長の交付決定などの手続も、地方自治法上は定められていません。

まとめ

地方自治体の支出とは、自治体の事務に必要な経費や、法律などによって自治体が負担する経費を支払うことです。支出は予算や会計年度のルールに従い、支出命令を受けたうえで、法令・予算への適合や債務の確定を確認して行われます。

寄附や補助も可能ですが、無制限ではありません。公益上必要がある場合に限られるため、支出の適法性を判断する際は、公益上の必要性を確認することが重要です。