取締役解任の訴えとは?株主が解任を求める方法を解説

取締役に不正行為や重大な法令違反などがあるにもかかわらず、株主総会で解任議案が否決された場合、一定の要件を満たす株主は、裁判所に取締役の解任を求めることができます。この手続が取締役解任の訴えです。

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取締役解任の訴えとは

取締役の職務執行について、不正行為、または法令・定款に違反する重大な事実がある場合に、株主がその取締役の解任を請求する訴訟です。根拠規定は会社法854条、855条です。

取締役の選任・解任は、原則として株主総会の普通決議で行います(会社法329条1項)。そのため、解任議案が株主総会で否決された場合に、一定の条件を満たせば訴えを提起できます。株主総会を経ずに、いつでも提訴できる制度ではありません。

なお、取締役の解任決議に必要な定足数は、定款で普通決議の定足数をなくす場合でも、議決権を行使できる株主の議決権の3分の1未満にはできません(会社法341条)。

提訴するための主な要件

取締役に重大な問題があること

次のいずれかに該当する重大な事実が必要です。

  • 職務執行に関する不正行為
  • 法令に違反する重大な事実
  • 定款に違反する重大な事実

解任議案が否決されていること

対象の取締役について株主総会で解任議案が否決されている必要があります。議案が可決された場合や、まだ議案が提出されていない場合は、この訴えの前提を欠きます。

一定数の株式または議決権を保有していること

原則として、6か月前から引き続き、次のいずれかを満たす株主が提訴できます。

  • 総株主の議決権の100分の3以上を有する
  • 発行済株式の100分の3以上を有する

株主総会の日から30日以内であること

提訴期限は、解任議案が否決された株主総会の日から30日以内です。総会の開催日と議案の否決日を確認し、期限を過ぎないよう注意が必要です。

取締役解任の訴えを提起する流れ

  1. 不正行為や重大な法令・定款違反の事実を確認する
  2. 株主総会で取締役の解任議案を審議する
  3. 解任議案が否決される
  4. 資格を満たす株主が、30日以内に訴えを提起する

被告となるのは、解任を求められた取締役だけではありません。株式会社と対象の取締役の双方が被告となります。

株主代表訴訟との違い

取締役解任の訴えは、取締役の地位を失わせることを目的とします。一方、株主代表訴訟は、取締役の会社に対する損害賠償責任などを追及する手続です。解任を求めるのか、会社の損害を回復させるのかによって、選ぶ手続が異なります。

まとめ

  • 取締役解任の訴えは、重大な不正行為や法令・定款違反がある取締役の解任を裁判所に求める制度です。
  • 原則として、先に株主総会で解任議案が否決されている必要があります。
  • 原則として、6か月前から議決権または株式の3%以上を継続保有する株主が提訴できます。
  • 提訴期限は、解任議案が否決された株主総会の日から30日以内です。
  • 被告は株式会社と解任を求められた取締役です。