国務大臣の人事については、誰が任命・罷免するのか、全員が国会議員でなければならないのか、天皇の認証にどのような意味があるのかが問題になります。憲法上のルールを順に確認しましょう。
国務大臣の任命・罷免は誰が行う?
任命するのは内閣総理大臣
憲法68条1項により、国務大臣を任命する権限は内閣総理大臣にあります。国務大臣は、内閣総理大臣とともに内閣を構成する者です。
罷免するのも内閣総理大臣
憲法68条2項は、内閣総理大臣が国務大臣を任意に罷免できると定めています。罷免とは、本人の意思にかかわらず、その職を辞めさせることです。
つまり、国務大臣の任命権と罷免権は、いずれも内閣総理大臣にあります。
国務大臣は何人が国会議員でなければならない?
国務大臣は、全員が国会議員である必要はありません。憲法68条1項ただし書により、国務大臣の過半数が国会議員でなければならないとされています。
過半数とは、半分を超える人数です。そのため、要件を満たす限り、国会議員ではない民間人を国務大臣に任命することもできます。
なお、内閣総理大臣と国務大臣は、いずれも文民でなければなりません。文民とは、職業軍人ではなく、以前に軍国主義思想に染まっていないような人をいいます。
天皇による国務大臣の認証とは?
憲法7条5号により、国務大臣の任免は天皇が認証します。認証とは、任命や罷免という手続が正当に行われたことを公証する行為です。
したがって、天皇が国務大臣の人事を実質的に決定するわけではありません。実際に任命・罷免を行うのは内閣総理大臣であり、天皇の認証は国事行為として行われます。
また、認証がされなかった場合でも、それだけで任命・罷免が無効になるわけではありません。
まとめ
- 国務大臣を任命・罷免するのは内閣総理大臣
- 罷免は、内閣総理大臣が任意に行える
- 国務大臣は、過半数が国会議員であればよく、全員である必要はない
- 天皇の認証は、人事を決定する行為ではなく、手続を公証する行為
- 認証がなくても、任命・罷免が当然に無効となるわけではない
