権限の定めがない代理人の権限とは?保存行為・利用改良行為を解説

代理権の範囲について定めがある場合、代理人の権限はその定めによります。任意代理では授権の範囲内、法定代理では法律の定める範囲内となります。

これに対し、代理権の範囲について定めがない場合、代理人の権限は民法103条により、保存行為と、代理の目的である物または権利の性質を変えない範囲内における利用・改良行為に限られます。

権限の定めがない代理人とは?

権限の定めがない代理人とは、代理権そのものがない人ではなく、代理権の範囲について定めがない代理人をいいます。

この場合、代理人が行えるのは、次の行為に限られます。

  1. 保存行為
  2. 代理の目的である物または権利の性質を変えない範囲内における利用・改良行為

保存行為とは?

保存行為とは、代理の目的である物や権利を保存するための行為です。代理権の範囲について定めがない場合でも、保存行為は代理人の権限に含まれます。

利用・改良行為とは?

利用・改良行為とは、代理の目的である物または権利を利用し、または改良するための行為です。ただし、代理の目的である物または権利の性質を変えない範囲内でなければなりません。

したがって、権限の定めがない場合の代理人の権限は、保存行為と、物または権利の性質を変えない範囲内での利用・改良行為に限定されます。

まとめ

代理権の範囲について定めがない場合、代理人の権限は民法103条により、次の行為に限られます。

  • 保存行為
  • 代理の目的である物または権利の性質を変えない範囲内における利用・改良行為

任意代理では授権の範囲内、法定代理では法律の定める範囲内で代理権の範囲が決まる点にも注意が必要です。