抵当権の順位とは?複数の抵当権を設定できる
抵当権とは、債務が返済されない場合に、不動産を競売するなどして、その代金から他の債権者より優先して弁済を受けるための担保物権です。
1つの不動産に対して、異なる債権者が複数の抵当権を設定することもできます。この場合、それぞれの抵当権には「1番抵当権」「2番抵当権」などの順位が付きます。
先順位抵当権者とは、先の順位を持つ抵当権者をいい、後順位抵当権者とは、後の順位を持つ抵当権者をいいます。順位によって、競売代金などから弁済を受ける優先度が変わります。
抵当権の順位は登記の順番で決まる
抵当権設定契約と登記の関係
抵当権は、債権者と不動産を担保に提供する設定者との間で締結する抵当権設定契約によって設定されます。ただし、不動産を目的とする抵当権を第三者に対抗するには、抵当権の登記が必要です。
同じ不動産に複数の抵当権がある場合、抵当権設定登記をした順番によって順位が決まります(民法373条)。
登記された順番により「1番」「2番」が決まる
たとえば、甲土地について、X社の抵当権設定登記が先にされ、Y社の登記が後にされた場合、X社が1番抵当権者、Y社が2番抵当権者となります。順位を確認するときは、不動産の登記に記載された抵当権の順位を確認します。
抵当権の順位によって弁済を受ける順番が決まる
競売代金は先順位の抵当権者から弁済される
債務不履行によって抵当権が実行されると、競売代金から1番抵当権者、次に2番抵当権者という順番で弁済されます。先順位の債権を弁済した後に残額がなければ、後順位抵当権者は競売代金から弁済を受けられないことがあります。
順位を具体例で確認する
甲土地について、X社が1番抵当権者、Y社が2番抵当権者であり、X社の債権額が800万円、Y社の債権額が500万円だとします。
- 競売代金が600万円の場合:X社に600万円が充てられ、Y社には配当されません。
- 競売代金が1,000万円の場合:まずX社に800万円が弁済され、残りの200万円がY社に回ります。
このように、順位が上の抵当権者ほど優先的に回収できます。ただし、1番抵当権であっても、競売代金が債権額に満たなければ全額を回収できるとは限りません。
抵当権の順位を確認するときのポイント
- 同じ不動産に複数の抵当権があるか確認する
- 不動産の登記で「1番」「2番」などの順位を確認する
- 先順位の抵当権が担保する債権額を確認する
- 後順位の場合、先順位の弁済後に残額があるかを検討する
