保証債務の範囲とは?主たる債務との関係や付従性・随伴性を解説

保証債務とは、主たる債務者が支払いや義務の履行をしない場合に、保証人が代わりに履行する責任です。保証人の責任は元本だけに及ぶのでしょうか。ここでは、保証債務の範囲と、主たる債務との関係を示す「付従性」「随伴性」を説明します。

保証債務の範囲はどこまでか

保証人が負担する基本的な範囲

民法447条1項により、保証人の責任には、原則として次のものが含まれます。

  • 主たる債務の元本
  • 元本に関する利息
  • 債務不履行による違約金や損害賠償
  • 契約解除に伴う原状回復義務など、主たる債務に付随する債務

したがって、保証人は「借入金の元本だけ」を負担するとは限りません。主たる債務に関連して発生する利息や損害賠償なども、保証の範囲に含まれることがあります。

保証債務について独自に定められる違約金・損害賠償

保証人と債権者は、保証債務についてのみ、違約金や損害賠償の額を約束できます(民法447条2項)。

付従性とは?保証債務が主たる債務より重くならない理由

付従性の基本的な意味

付従性とは、保証債務が主たる債務に従う性質です。主たる債務が成立しなければ、保証債務も成立しません。また、主たる債務が消滅すれば、保証債務も消滅します。

さらに、保証人の負担が主たる債務より重い場合、その負担は主たる債務の限度まで減縮されます。

主たる債務より保証人の負担が重い場合

保証人に150万円の支払いを約束させたとしても、主たる債務が100万円であれば、保証人の責任は主たる債務の限度である100万円に減縮されます(民法448条1項)。また、主たる債務にはない特別に重い条件を保証人にだけ課した場合も、主たる債務より重い部分は認められません。

契約後に主たる債務が加重されても保証人の負担は増えない

保証契約を結んだ後、主たる債務者と債権者が契約を変更し、債務の目的や態様を重くしても、その変更によって保証人の負担は加重されません(民法448条2項)。

主たる債務が取り消された場合の例外

主たる債務が未成年者の契約など、制限行為能力を理由に取り消せる債務である場合、取消しにより保証債務も消滅します。

ただし、保証人が保証契約を結んだ時点で取消原因を知っていたときは例外です。この場合、主たる債務が履行されない、または取り消されたとしても、保証人は同じ目的を持つ独立の債務を負担したものと推定されます(民法449条)。

随伴性とは?主たる債権の移転に伴って保証債務も移転する

随伴性の意味

保証債務には随伴性もあります。被担保債権(主たる債務)が譲渡されると、保証債務もその譲渡に伴って移転します。

付従性と随伴性の違い

  • 付従性:主たる債務の成立・消滅や内容に、保証債務が従う性質
  • 随伴性:主たる債権の譲渡に伴い、保証債務も移転する性質

つまり、付従性は「主たる債務の存在や内容」との関係、随伴性は「債権者が変わること」との関係を示します。

まとめ

  • 保証債務の範囲には、元本のほか利息、違約金、損害賠償、原状回復義務なども含まれる
  • 保証債務が主たる債務より重い場合は、主たる債務の限度まで減縮される
  • 契約後に主たる債務が加重されても、保証人の負担は加重されない
  • 付従性は主たる債務の成立・消滅や内容に従う性質、随伴性は主たる債権の移転に伴って保証債務も移る性質である