保証人が主たる債務者に代わって弁済その他の債務の消滅行為をした場合、保証人は主たる債務者に対して求償できます。ただし、請求できる範囲は、債務の消滅行為をした時期や金額によって異なります。ここでは、主たる債務者から委託を受けた保証人の求償権について説明します。
委託を受けた保証人の求償権とは
求償権の基本的な意味
求償権とは、保証人が主たる債務者に代わり、自分の財産で債務を消滅させたときに、そのために支出した財産の額を主たる債務者へ請求できる権利です。連帯保証人であっても、主たる債務者から委託を受けていれば、同じように求償できます。
求償の範囲を判断する際は、保証人が支出した財産の額と、その債務の消滅行為によって消滅した主たる債務の額を確認します。
弁済後に請求できる求償の範囲
原則は支出額。ただし主たる債務の消滅額が上限
保証人は、主たる債務者のために支出した財産の額を請求できます。ただし、支出額が消滅した主たる債務の額を超える場合、請求できるのは消滅した額までです。
法定利息や避けられなかった費用なども対象
主たる債務を消滅させた日以後の法定利息に加え、避けることができなかった費用その他の損害も、求償の範囲に含まれます。
弁済期前に債務を消滅させた場合と請求範囲
弁済期前に支払った場合
主たる債務の弁済期より前に保証人が債務の消滅行為をしたときは、主たる債務者がその当時利益を受けた限度において求償できます。ただし、その求償権を行使できるのは、主たる債務の弁済期が到来した後です。
また、主たる債務者が、債務の消滅行為の日以前に相殺の原因を有していたと主張する場合、保証人は債権者に対し、その相殺によって消滅すべきであった債務の履行を請求できます。
弁済前でも認められる事前求償権
保証人がまだ債権者へ弁済していなくても、次の場合には主たる債務者へ事前に求償できます。
- 主たる債務者が破産手続開始の決定を受け、債権者が破産財団の配当に加入しないとき
- 主たる債務が弁済期にあるとき。ただし、保証契約後に債権者が主たる債務者へ与えた期限は、保証人に対抗できません
- 保証人が過失なく、債権者へ弁済すべき旨の裁判の言渡しを受けたとき
事前求償権は弁済前の特別な請求権であり、実際に債務を消滅させた後の求償権とは、発生する条件と請求範囲を区別する必要があります。
