弁済とは、契約内容に従って金銭の支払いや物の引渡しなどを行い、債務を消滅させることです。弁済の場所・方法・費用について別段の意思表示があれば、原則としてその内容に従います。別段の意思表示がない場合は、民法のルールに従います。
弁済の場所は別段の定めがなければ民法のルールで決まる
特定物を引き渡す場合
別段の意思表示がないときは、債権が発生した時点で、その物が存在していた場所で引き渡します。
特定物の引渡し以外の場合
金銭の支払いなど、特定物の引渡し以外の弁済は、債権者の現在の住所で行います。別段の意思表示がある場合は、その内容に従います。
取引時間の定めがある場合
法令や慣習によって取引時間が定められている場合、弁済や弁済の請求は、その時間内に限って行います。
弁済の方法は債務の内容に従い、特定物は原則として現状で引き渡す
契約内容どおりに弁済する
弁済は、契約内容に従って行います。本来の給付とは異なる物を渡して債務を消滅させる代物弁済には、別途契約が必要です。
特定物の品質を定められない場合は引渡し時の現状で引き渡す
特定物について、契約その他の債権の発生原因や取引上の社会通念から、引渡しをすべき時の品質を定められない場合があります。このときは、弁済する者は引渡しをする時点の現状で目的物を引き渡します。
弁済と引換えに受取証書の交付を請求できる
弁済者は、弁済を受ける者に対して、領収書などの受取証書の交付を請求できます。受領者が交付しない場合、弁済者は弁済を拒むことができます。
また、受取証書に代えて、その内容を記録した電磁的記録の提供を求めることもできます。ただし、受領者に不相当な負担を課す請求は認められません。
弁済の費用は原則として債務者が負担する
別段の定めがなければ債務者負担
弁済の費用について別段の意思表示がない場合、原則として債務者が負担します。
債権者の行為で増えた費用は債権者が負担する
ただし、債権者が住所を移転するなどの行為によって弁済の費用が増加した場合は、その増加額を債権者が負担します。
まとめ:弁済の場所・方法・費用はまず別段の定めを確認する
- 別段の意思表示があれば、原則としてその内容に従う
- 特定物の引渡しは、債権発生時に物が存在した場所で行う
- その他の弁済は、債権者の現在の住所で行う
- 特定物の品質を定められないときは、引渡し時の現状で引き渡す
- 弁済費用は原則として債務者が負担する
- 債権者の住所移転などで増えた費用は、その増加額を債権者が負担する
