契約解除とは、いったん有効に成立した契約を解消し、当事者を契約前の状態に戻すことです。解除には、法律に根拠がある「法定解除」、契約であらかじめ定める「約定解除」、当事者双方の話し合いによる「合意解除」があります。根拠や、一方的に解除できるかどうかがそれぞれ異なります。
契約解除とは
契約解除の意味
契約は、原則として当事者の一方だけの都合で自由に解消できません。契約違反など法律上の原因がある場合、契約で解除の条件を定めている場合、または当事者双方が解除に合意した場合に、契約関係を解消できます。
契約解除の基本的な効果
解除権を行使すると、各当事者は相手方を契約前の状態に戻す原状回復義務を負います。たとえば代金を受け取っていれば、受領時からの利息を付けて返還します。物を受け取っていた場合は、受領後に生じた果実も返還します。
ただし、解除によって第三者の権利を害することはできません。また、債務不履行を理由とする解除であっても、損害賠償請求は妨げられません。
法定解除・約定解除・合意解除の違い
3種類の違い一覧
| 種類 | 解除の根拠 | 一方的な解除 |
|---|---|---|
| 法定解除 | 法律が定める解除原因 | 原則として可能 |
| 約定解除 | 契約で定めた解除権や特約 | 契約の条件に従って可能 |
| 合意解除 | 当事者双方の合意 | 双方の合意が必要 |
法定解除とは
法定解除は、債務不履行や担保責任、賃借人による無断転貸・無断譲渡など、法律上の解除原因が生じた場合の解除です。解除権を持つ当事者が相手方に一方的な意思表示をすることで行使できます。
約定解除とは
約定解除は、契約を結ぶ際に、一定の条件を満たせば解除できると定めておくものです。解約手付や買戻しの特約などが例です。契約で定めた条件と手続きに従えば解除できる場合があります。
合意解除とは
合意解除は、契約当事者が契約を解消することに合意するものです。一方が単独で解除権を行使するのではなく、双方の意思が一致している点が、法定解除や約定解除との違いです。
法定解除が認められる主な要件
原則は催告後の解除
相手方が債務を履行しない場合、原則として、まず相当な期間を定めて履行を求めます。その期間内に履行がなければ解除できます。ただし、不履行が契約や取引上の社会通念に照らして軽微なときは解除できません。また、不履行が解除を求める側の責任による場合も解除できません。
催告をせずに解除できる場合
- 債務の全部が履行不能になった場合
- 債務者が全部の履行を拒絶する意思を明確に示した場合
- 一部の履行不能・拒絶により、残りだけでは契約目的を達成できない場合。この場合は契約全体を解除できます
- 一部の履行が不能となった場合や、一部の履行を拒絶する意思が明確に示された場合に、その部分について解除する場合
- 特定の日時・期間内の履行が必要な契約で、その時期を過ぎた場合
- 催告しても契約目的を達成できる履行の見込みがないことが明らかな場合
もっとも、これらの場合でも、不履行が解除を求める側の責任によるときは解除できません。
法定解除の行使方法
解除権者が相手方に一方的な意思表示をして行使します。当事者の一方が複数いるときは、原則として全員から、または全員に対して解除します。解除権が当事者のうち1人について消滅すると、他の当事者についても消滅します。
まとめ
- 契約解除とは、有効に成立した契約を解消し、原状回復を行うことです。
- 法定解除は法律上の原因、約定解除は契約上の条件に基づきます。
- 合意解除には当事者双方の合意が必要です。
- 法定解除は原則として催告が必要ですが、履行不能などでは催告なしで解除できます。
- 解除後は、原状回復義務が生じ、損害賠償請求も妨げられません。
