請負契約の契約不適合責任とは?修補・報酬減額・損害賠償・解除を解説

請負契約では、請負人がある仕事を完成させ、注文者がその仕事の結果に対して報酬を支払います(民法632条)。完成した仕事が契約の内容に適合しない場合、注文者は契約不適合責任に基づく請求ができます。

請負契約の契約不適合責任とは

契約不適合とは、完成した仕事の目的物が、契約の内容に適合しないことです。目的物の引渡しを要する場合は引渡し時、引渡しを要しない場合は仕事が終了した時に、目的物が種類または品質に関して契約の内容に適合しているかが問題となります。

請負契約では、売買契約の契約不適合責任に関する規定が準用されるため(民法559条)、注文者は次の請求ができます。

注文者ができる4つの請求

1.履行の追完請求(修補請求)

契約の内容に適合するよう、請負人に仕事の修補などを求める請求です。

2.報酬減額請求

契約の内容に適合しない仕事について、報酬の減額を請求できます。

3.損害賠償請求

契約不適合によって損害が生じた場合、その損害の賠償を請求できます。

4.契約解除

契約不適合がある場合、契約を解除できます。

請求できない場合と期間制限

注文者の材料や指図が原因の場合

不適合が、注文者が提供した材料の性質や、注文者の指図によって生じた場合、注文者は原則として、履行の追完、報酬の減額、損害賠償、契約の解除を請求できません(民法636条本文)。

ただし、請負人が材料や指図が不適当であることを知りながら告げなかった場合は、これらの請求をすることができます(民法636条ただし書)。

契約不適合を知った後の通知

注文者は、契約不適合を知った時から1年以内に、その旨を請負人へ通知しなければなりません(民法637条1項)。通知しない場合、契約不適合を理由とする履行の追完、報酬の減額、損害賠償、契約の解除ができなくなります。

もっとも、引渡し時または仕事の終了時に、請負人が不適合を知っていた場合や、重大な過失によって知らなかった場合は、この期間制限は適用されません(民法637条2項)。

まとめ

請負人の仕事が契約の内容に適合しないとき、注文者は履行の追完、報酬の減額、損害賠償、契約の解除を請求できます。ただし、注文者の材料や指図が原因の場合は原則として請求できず、契約不適合を知ってから1年以内の通知も必要です。請負人の悪意または重過失がある場合は、この期間制限が適用されません。