指定都市とは?中核市や行政区との違いをわかりやすく解説

指定都市とは、政令で指定された人口50万人以上の市をいいます。一般の市よりも、都道府県が担当する事務の一部を処理できる点が特徴です。

指定都市の区域には「行政区」が置かれますが、行政区は市とは別の地方公共団体ではありません。ここでは、指定都市の意味、中核市との違い、行政区と東京都23区の違いを説明します。

指定都市とは

指定都市の意味と法律上の要件

指定都市は、地方公共団体のうち「市」に分類されます。地方自治法上は、政令で指定する人口50万人以上の市です(同法252条の19第1項)。

ただし、人口が50万人以上になれば自動的に指定都市になるわけではありません。政令による指定が必要です。また、都道府県と市町村は、どちらかが常に上位に立つ関係ではなく、それぞれが役割を分担する地方公共団体です。

指定都市が処理できる事務

指定都市は、法律や政令によって都道府県が処理することとされている事務のうち、政令で定められたものを処理できます。つまり、指定都市になると市が都道府県になるのではなく、市のまま、担当できる行政事務の範囲が広がる仕組みです。

指定都市と中核市の違い

人口要件と指定の仕組み

区分 要件・指定
指定都市 政令で指定する人口50万人以上の市
中核市 人口20万人以上で、政令により指定された市

どちらも人口要件を満たすだけで当然に指定されるものではなく、政令による指定が必要です。

処理できる事務の範囲

指定都市は、都道府県の事務のうち政令で定めるものを処理できます。一方、中核市が処理できるのは、指定都市が扱える事務のうち、都道府県が広域的に一体処理するほうが効率的な事務などを除き、政令で定められたものです。

そのため、一般には指定都市のほうが中核市よりも広い範囲の事務を担当します。ただし、どちらも都道府県の事務をすべて引き受けるわけではありません。

中核市の指定手続

中核市の指定に関する政令の立案は、関係する市からの申出をもとに行われます。市が申出をするには、まず市議会の議決を経て、そのうえで都道府県議会の議決を経た都道府県の同意が必要です(地方自治法252条の24第1項~第3項)。

指定都市の行政区とは

行政区の役割

指定都市は、市長の権限に属する事務を分担させるため、条例で区域を分けて「区」を設けます。区には事務所が置かれ、必要に応じて出張所を設置することもできます(同法252条の20第1項)。行政区は、市の内部を分けて行政を進めるための仕組みです。

行政区は独立した地方公共団体ではない

行政区には法人格がなく、指定都市とは別の地方公共団体ではありません。

行政区と東京都23区の違い

指定都市の行政区と東京都23区の特別区は、名前に「区」が付く点は共通していますが、制度は別です。特別区は地方自治法上の特別地方公共団体であり、指定都市の内部組織である行政区とは異なります。

総合区という仕組み

指定都市は、行政を円滑に行う必要がある場合、条例により行政区に代えて「総合区」を設けられます。総合区では、市長の権限に属する一定の事務を総合区長が執行します(同法252条の20の2第1項)。

まとめ

  • 指定都市とは、政令で指定された人口50万人以上の市です。
  • 都道府県の事務の一部を、政令で定める範囲で処理できます。
  • 中核市は人口20万人以上の市で、指定都市より担当できる事務の範囲が限定されます。
  • 行政区は指定都市の内部組織であり、独立した地方公共団体ではありません。
  • 行政区と東京都23区の特別区は、法律上の位置づけが異なります。