制限行為能力者とは?未成年者・成年被後見人など4種類を解説

制限行為能力者とは、単独で完全に法律行為をする能力を制限されている人をいいます。法律行為とは、契約などのことです。

制限行為能力者とは

行為能力の意味

行為能力とは、契約などの法律行為を、単独で完全に行うことのできる能力です。この能力を制限されている人を制限行為能力者といいます。

制度が設けられている理由

判断能力がない、または十分でない人を保護し、取引の相手方に注意を促すためです。法律行為をするたびに、その人に意思能力があったかを個別に判断するのは容易ではありません。そこで、一定の類型に当たる人を制限行為能力者として、法律行為を取り消せる場合などを定めています。

意思能力との違い

意思能力とは、自分の行為の結果を判断できる精神的な能力です。意思能力がない人の法律行為は無効となります。無効とは、初めから法律行為がなかったものとして扱うことです。

これに対して、制限行為能力者の法律行為は、一定の要件に当たる場合に取り消すことができます。取消しとは、取り消すまでは一応有効ですが、取り消すと法律行為の時点にさかのぼって効力を失わせることです。

制限行為能力者の4種類

制限行為能力者には、次の4種類があります。

  • 未成年者
  • 成年被後見人
  • 被保佐人
  • 被補助人

未成年者

未成年者とは、18歳未満の人です。法定代理人の同意を得ずにした法律行為は、一定の場合に取り消すことができます。未成年者の法律行為については、次の章で詳しく説明します。

成年被後見人・被保佐人・被補助人

成年被後見人、被保佐人、被補助人も、判断能力がない、または十分でない人を保護するために設けられた制限行為能力者の類型です。

未成年者の法律行為はどう扱われるか

原則:法定代理人の同意が必要

未成年者は、原則として法定代理人の同意がなければ、単独で有効に法律行為をすることができません。法定代理人とは、法律上、代理権を有する人です。未成年者の場合、親権者である父母または未成年後見人が法定代理人となります。

同意を得ずにした法律行為は取り消せる

同意が必要な法律行為を、未成年者が同意なしにした場合でも、当然に無効となるわけではありません。その法律行為は一応有効ですが、未成年者本人または法定代理人が取り消すことができます。未成年者本人が取り消す際に、法定代理人の同意は必要ありません。

法定代理人の同意を要しない行為

  • 負担のない贈与を受けるなど、単に権利を得たり義務を免れたりする行為
  • 法定代理人が目的を定めて処分を許した財産を、その目的の範囲内で処分する行為
  • 法定代理人が目的を定めずに処分を許した財産を処分する行為

ただし、債務の弁済を受ける行為は、単に義務を免れる行為には含まれません。

営業の許可を受けた場合

未成年者が法定代理人から営業の許可を受けた場合、その営業を許可された範囲では成年者と同じ行為能力を持ちます。その範囲で、法律行為を本人の判断で行うことができます。その営業に堪えることができない事由があるときは、法定代理人は許可を取り消したり、制限したりできます。

法定代理人が代理する場合

未成年者自身が法定代理人の同意を得て法律行為をするほか、法定代理人が未成年者を代理して法律行為をする方法もあります。

まとめ

  • 制限行為能力者とは、単独で完全に法律行為をする能力を制限されている人です。
  • 未成年者・成年被後見人・被保佐人・被補助人の4種類があります。
  • 未成年者は、原則として法定代理人の同意なしに、単独で有効な法律行為をすることができません。
  • 同意なしの法律行為は、当然に無効ではなく、一定の場合に取り消すことができます。