法定追認とは?追認とみなされる6つの事由をわかりやすく解説

法定追認とは、取り消すことができる行為について、一定の事実が存在する場合に、当然に追認したものとみなされる制度です。法定追認が成立すると、その行為は確定的に有効となり、以後、取り消すことができなくなります。

民法125条は、法定追認事由として6つの事由を定めています。以下、具体的に説明します。

法定追認とは

法定追認の意味

法定追認は、取り消すことができる行為について、一定の事実が存在すると、追認したものとみなす制度です。

対象はあくまで取り消すことができる行為です。無効な行為の追認とは別の制度であるため、区別が必要です。

法定追認が成立する前提

取り消すことができる行為の追認は、取消しの原因となっていた状況が消滅し、かつ、取消権を有することを知った後にしなければ、その効力を生じません(124条1項)。

ただし、法定代理人または制限行為能力者の保佐人若しくは補助人が追認をするときや、制限行為能力者(成年被後見人を除きます。)が法定代理人、保佐人または補助人の同意を得て追認をするときは、取消しの原因となっていた状況が消滅した後にすることを必要としません(124条2項)。

追認とみなされる6つの事由

1.全部または一部の履行

取消権者が全部または一部を履行した場合や、相手方の履行を受けた場合は、法定追認となります。

2.履行の請求

取消権者が相手方に履行を請求した場合、法定追認となります。相手方から履行を請求された場合ではなく、取消権者自身が請求したことが必要です。

3.更改

取消権者が債権者または債務者として更改をした場合、法定追認となります。

4.担保の供与

取消権者が担保を供与した場合や、担保の供与を受けた場合も、法定追認となります。

5.取り消すことができる行為によって取得した権利の全部または一部の譲渡

取り消すことができる行為によって取得した権利を、取消権者自身が全部または一部譲渡すると、法定追認となります。相手方が権利を譲渡しただけでは、この事由にはあたりません。

6.強制執行

取消権者が強制執行を申し立てた場合も、法定追認となります。相手方が申し立てた強制執行だけでは、この事由にはあたりません。

法定追認の6つの事由を確認するポイント

法定追認では、明確な追認の意思表示がなくても、民法125条が定める6つの事由があれば、追認したものとみなされます。

特に、履行の請求、取り消すことができる行為によって取得した権利の譲渡、強制執行は、取消権者自身が行ったことが必要です。