行政不服審査法で審査請求できる人とは?不服申立資格を解説

行政庁の処分や、申請に対する対応の遅れに不服があっても、誰でも審査請求できるわけではありません。行政不服審査法では、処分によって法律上の利益を侵害された人や、法令に基づく申請をした人など、一定の要件を満たす必要があります。

処分について審査請求できる人は「法律上の利益がある者」

行政庁の処分に不服がある者

行政不服審査法2条は、行政庁の処分に不服がある者が審査請求できると定めています。ただし、「不服がある者」の意味を法律が具体的に定義しているわけではありません。

判例上の「法律上の利益がある者」とは

判例では、処分によって自分の権利または法律上保護された利益を侵害された人、またはそれらを必然的に侵害されるおそれがある人を指すとされています。

この考え方は、行政事件訴訟法9条1項の「法律上の利益を有する者」と同じ意味に解されています。

不作為について審査請求できる人は「法令に基づく申請をした者」

審査請求の対象となる不作為

行政不服審査法3条の「不作為」とは、法令に基づく申請を受けた行政庁が、相当の期間が経過しても何の処分もしないことです。

そのため、法令によって申請が認められていないものについては、同法上の不作為には当たりません。また、行政庁がすでに何らかの処分をしている場合も、不作為には当たりません。

不作為について審査請求できる人

審査請求できるのは、法令に基づいて行政庁に処分についての申請をした者です。

本人以外が審査請求人になったり、手続を行ったりできる場合

権利能力なき社団・財団

代表者または管理人の定めがある権利能力なき社団・財団は、団体名で審査請求できます。

代理人による審査請求

審査請求人は、代理人を通じて手続を行えます。代理人は原則として審査請求に関する一切の行為ができますが、審査請求を取り下げるには特別の委任が必要です。

審査請求人の地位を承継する人

審査請求人が死亡した場合は、相続人その他法令により処分に係る権利を承継した人が地位を引き継ぎます。合併・分割によりその権利を承継した法人なども、審査請求人の地位を承継します。また、権利を譲り受けた人は、審査庁の許可を得て承継できます。

まとめ

  • 処分については、権利や法律上保護された利益を侵害された、または侵害されるおそれがある人が審査請求できる
  • 不作為については、法令に基づく申請をした者が審査請求できる
  • 一定の団体は団体名で請求でき、代理人による手続も可能
  • 相続や合併などで、審査請求人の地位が承継される場合もある